【産経抄】 12月31日
2012.12.31 03:04 [産経抄]「自分の子供等が今の自分ぐらいの年配になる頃には、ことによるともう正月に雑煮を喰うという習慣もおおかた忘れられているかもしれない」。昭和10(1935)年のはじめに、こんな随筆を書いた寺田寅彦は、その年の大みそかに亡くなる。57歳だった。
▼今年も寺田の著作の復刊が相次いだ。「天災は忘れた頃にやって来る」。著作に記述はなく、弟子に語ったとされる名言が、東日本大震災の発生以来、再び脚光を浴びているからだ。
▼寺田は、文明の力を過信して自然を侮り防災を怠る現代の日本人に、強い警告を発しているだけではない。物理学者の池内了(さとる)さんによると、クモの糸を人工的に作る研究など、今注目されている技術のアイデアをすでに持っていた。
▼そんな寺田に、「半分風邪を引いていると風邪を引かぬ話」と題した随筆がある。流感、今で言うインフルエンザに早めにかかった人の方が悪性になりにくい。その経験則を外交問題にあてはめていう。
▼「今に戦争になるかもしれないというかなりに大きな確率を眼前に認めて、国々が一生懸命に負けない用意をして、そうしてなるべくなら戦争にならないで世界の平和を存続したいという念願を忘れずにいれば、存外永遠の平和が保たれるかもしれないと思われる」。
▼中国が、国民の不満のガス抜きに反日運動を利用し、尖閣諸島での挑発活動を繰り返すようになったのはなぜか。日中関係が「風邪を引く」のを恐れるあまり、民主党政権が、「友好」に前のめりになりすぎた結果だとすれば、合点がいく。第2次安倍政権は、3年半に及んだ「外交敗北」から得た教訓を生かし、新年から新たな覚悟で対中政策に臨んでほしい。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121231/plc12123103010005-n1.htm
韓国に対してもな。