輸出企業に全てを委ねた李明博大統領
IMF管理によって生まれた大手輸出企業が急成長を遂げた背景には、ウォン安が追い風になっていたという事情がある。円高で苦しんでいる日本企業を例に出すまでもなく、自国通貨が高くなれば海外での販売価格が上がることになるが、その逆なら輸出企業にとっては有利だ。
そして、さらに輸出依存の度合いを高めたのが、李明博大統領によるウォン安政策。
2008年当時、リーマンショックの余波でウォンは大暴落寸前の危機状態にあった。通貨危機脱出後から輸出の伸びが順調で経済成長すると同時に1997年に底をついたウォンも徐々に高騰していき、そのせいもあって輸出が頭打ち。韓国経済が凋落を始めたところにリーマンショックが襲った。
韓国経済がそこまで辿った経緯はさておき、この時期に再び韓国は、通貨危機並みの暴落を経験することになる。
李明博大統領は、大企業を快復させて韓国経済を牽引させるためにウォン安を逆手にとって、安値で安定させることで大手輸出企業の海外依存を加速させ、再び輸出で成長路線の戻す戦略をとった。
第二次通貨危機が目前に迫っている以上、そうするより他に選択肢はなかったのではないかと思われる。
そのときから韓国経済は、SAMSUNG電子、現代自動車などの大手輸出企業が、完全に主役の座を独占することになる。
それまでも韓国経済の中心ではあったのだが、李明博が「心中覚悟」で彼らに全てを委ねた。
危険なほど高すぎる韓国の貿易依存度
以来、韓国経済は輸出あるいは貿易への依存度をさらに高めていく。
貿易依存度(輸出と輸入をあわせた額とGNPを比べた数値を見てみると、2011年の韓国の貿易依存度は96%。2012年に入り、110%というとんでもない数字にまで達している。盧武鉉大統領の時代には50%から60%だったので、常識では考えられないほど急激な跳ね上がり方をしたことになる。
出典:OECD、IMF
出典:内閣府、財務省、韓国銀行
ブラフで日本の貿易依存度と比較してみると、「貿易立国」のイメージが強い日本の4倍近い数値だ。
ちなみにアメリカが25%、中国が40%、ドイツが60%だから、主要国の数字と比較してもと出して高いとわかる。
リーマンショック以降は世界的に外需が縮小しているから、その中で輸出依存度を増やすのは、よほどの強い意志と極端な政策がなければできないことだ。
確かに韓国製品はよく売れるようになったが、高すぎる輸出依存体質、極端な政策が生んだ歪んだ経済モデルは、修正が効かないところまできてしまっている。