韓国が輸出すればするほど日本が黒字になるしくみ
日本からの資本財輸入に頼り切っている状況では、輸入費用が大きな負担となっている。
韓国が日本を中心にした海外の資本財メーカーに支払う代金は、獲得した輸出代金のほぼ4割。SAMSUNGが製品を売れば売るほど、それだけのお金が海外に、とりわけ日本に流出してしまう。
さらに問題なのは、流れ出すお金の割合が、年を追うごとに増える傾向にあること。独自技術が育たないばかりか、むしろ依存度を高めているから。
当然、韓国の対日貿易は大きな赤字が続いている。1965年の日韓国交正常化以来、韓国は1度たりとも対日で黒字になったことはない。ただ、赤字の額自体は徐々に減ってきている。
韓国貿易協会によると、2011年の対日赤字は264ドル、前年比で29%もの減少だった。日本が31年ぶりの貿易赤字だったこともあって、韓国国内では「日本の経済を恐れる必要はない」の論調が目立っている。
対中国、対アメリカで大きな貿易黒字を出しているので日本の経済制裁など怖くない、と言いたいようだが、大きな勘違いだ。
見た目の黒字は不況による縮小型黒字
確かに韓国の貿易黒字は2009年、2010年と過去最高を更新していて「だから韓国は絶好調」説を声高に言う人が日本にもたくさんいた。が、これにはからくりがある。
その前に、貿易収支の黒字がそのまま国の黒字というわけではないということを思い出しておく。国と国の間でお金をやり取りするのは貿易だけではない。貿易で黒字を出しながら国全体の「国際収支」が赤字になる場合もある。
では、韓国が自慢する「過去最高の貿易黒字」の正体とは何か? その鍵が「資本財」。
不況になってモノが売れなくなると、真っ先に行われるのは資本財の輸入停止だ。売れないのにたくさん製造しても仕方がないから、材料の買い入れを止めて持ちのストックで当分は間に合わせようと考える。対日本の貿易赤字が減っているのはこれで説明できる。
不況でモノが売れなければ輸出が減って黒字も減るのが普通。韓国は資本財の海外依存が極端なため、輸出が減ると同時に資本財の輸入がそれ以上に激減してしまった。
つまり輸入が低迷し経済が縮小しているにも関わらず、数値状では貿易黒字が増える、という珍妙な減少が起きている。あくまで不況が生み出した「縮小型黒字」。
貿易が黒字だからと言って、何一つ喜ばしいことはない。そして2011年に入り、欧州の危機の打撃も重なって、韓国の輸出額は激減を始めた。外需が縮小している現状では、いつ貿易赤字に転落しても不思議ではない。