【社説】韓国の中産階級、半数に貧困層転落リスク
世界的なコンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーは14日、韓国に関するリポートで「中産階級の世帯の半分が所得低 迷と支出拡大のわなにはまり、貧困層に転落する危機に直面している」と警告した。中産階級世帯の割合が1990年の75.4%から2010年には 67.5%へと低下を続けている上、中産階級世帯の55%はローン返済で家計が赤字に陥っている「貧困中産階級」だという。
中産階級崩壊の最大の原因は、賃金が高い大企業による雇用が減り、家計所得が増えないことにある。製造業部門の大企業の生産性は、1995-2010年に 年平均で9.3%向上した。しかし、海外での生産割合が2005年の6.7%から10年には16.7%に高まり、韓国国内の雇用は毎年2%ずつ減少した。
韓国の雇用の88%を占める中小企業と70%を占めるサービス業は、低い生産性の泥沼から抜け出せずにいる。製造業部門の中小企業の生産性は1990年に は大企業の49%だったが、2010年には27%にまで低下した。賃金水準は大企業の半分にとどまっている。ドイツの中小企業の生産性は、大企業の 62%、賃金は大企業の90%に達する。韓国のサービス業の生産性も大企業の40%前後だ。
所得は増えない中、住宅ローン の返済負担が増大し、教育費の負担ものしかかる。このため、家計の貯蓄率は1994年の20%から2012年には3%にまで低下し、家計債務が爆発的に増 えた。マッキンゼーは「世界最高レベルの自殺率と離婚増加、少子化の傾向も中産階級の崩壊と関係がある。このまま行けば、韓国経済が成長を続けられなくな る」と指摘した。
韓国経済が新たな成長基盤を築くには、中小企業とサービス業の競争力を高め、効率化しなければならない。 そうした指摘は以前からある。しかし、歴代政権は、利害当事者の抵抗と、関連する集団の対立を調整・説得できるだけの方策を示せなかった。韓国経済が活力 を取り戻し、良質の雇用を創出するためには、生産性の低い企業が経済の原理に従い淘汰(とうた)され、その労働力と資本が効率的な新生企業にシフトするよ うな企業生態系のサイクルを構築しなければならない。さもなければ、企業と産業全体の生産性が高まることも、中産階級が再形成されることもなく、福祉社会 の基礎を築くこともできない。