橋下氏と「ぶら下がり」の功罪
2013.5.25 12:00
ぶら下がり取材を再開した橋下氏=21日夕(安元雄太撮影)
日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の慰安婦に関する発言が物議を醸している。慰安婦に関する発言はさておき、驚いたのは「辞めます」と明言したぶら下がり取材をすぐに再開したことだ。この裏には、メディアへの露出なしに存在し得ない政治家・橋下徹の姿がある。
「自分のメンツを気にして色んな理由をつけて再開しなければならない状況になる位なら早く再開した方がよい。僕がやっているこの囲み取材は日本の政治家で はやっていない位、ある種特殊であり、時間無制限で質問も何でもOKだ。『一言一句、全部正確を期してしゃべるべきだといわれれば、こんな囲み取材できま せん』と先日言ったが、この場に来ている記者全員がそういう認識だったとは思っていない」
橋下氏は20日夕、市役所の登庁時と退庁時に行 われている記者団のぶら下がり取材を再開する理由を、こう説明した。17日の退庁時には「記者会見しかやらない」と中止を宣言したにもかかわらず、わずか 3日後のことだった。橋下氏の発言からは、遅かれ早かれ取材応対を再開しようと考えていたことが透けてみえる。メディアへの露出なくして、自身が本領を発 揮できる場はないと考えているようだ。
ぶら下がり取材と言えば、首相はどのような対応はとったのだろうか。振り返ると、テレビカメラを入 れたぶら下がり取材を始めたのは小泉純一郎元首相だった。小泉氏は、一言のキャッチフレーズ的な言い回しを多用する「ワンフレーズ・ポリティクス」にたけ ており、有権者に自分の思いを伝える能力は抜群だった。政治の道具としてテレビを積極的に活用する「テレ・ポリティクス」のさきがけとも言えるだろう。