私の会社の取引先の韓国の会社で大きな取引がある為、韓国に出張に行った時の話です。
私の会社で10年間、働いている韓国人の李さんと共に韓国・ソウルに行く事になりました。
李さんは、私の通訳として一緒にソウルに向かいました。
久しぶりに母国に帰国する李さんですが、あまり韓国には帰りたくなさそうでした。
李さんと私は、ソウルに着き、取引先の韓国の会社に向かう途中、多くの韓国人達が、
私たちを見て、指を差し、笑ったり、小声で私達に言っているのです。
その時、初めて私は、李さんが韓国に帰国したくなかった理由を知りました。
李さんは、産まれた時から体に障害があり、左下半身が麻痺しており、歩き方が不自由です。
それを見て、韓国人達は、私達に【気持ちが悪い!】 【変な人だ!】と失笑していたのでした。
それも、李さんに聞こえる様に・・
韓国では、身体障害者に対しての差別が他国よりも酷いらしく、李さんも猛勉強し、日本語を覚え、
韓国から逃げて来たそうです・・
李さんは、私に【私の事は気にしなくても良いです。韓国では、私の様な障害者はこの様な扱いをされる
事には、慣れていますから!】と笑顔で言いました。
しかし、取引先の韓国の会社に着くなり、その韓国の会社の社員から、
【あなた達、日本の会社では、この様な壊れた人間を社員として扱っているのですか?それに、今回の様な巨額の取引きで、この様な不完全な人間を通訳に遣す様な会社は信用が出来ないです!】
と言われたのです。
李さんは、韓国の会社側に
【私の様な障害を持つ人間が通訳に来て済みませんでした。私は、この会社に入らないので、
日本人の社員の彼だけでも、会社で話をさせてもらえないでしょうか?】と
言ってくれたそうですが、韓国の会社の社長は、【気持ちが悪いので君たちと会いたくもない。】
と言う事で、取引は、なくなってしまいました。
日本へと帰国する飛行機の中で、李さんは、重要な取引なのに、私の責任で契約が取れずに
申し訳がないと泣いていましたが、その涙は、それ以外の涙も含まれていたと私は思いました。
同時に同じ国の李さんに冷たく接した韓国の会社の社員に何も言えなかった自分が悔しかったです。
日本に帰国後、社長から私と李さんが呼ばれました。
会社の命運を左右する大きな取引を失敗した私達は、会社をクビになると覚悟をしていましたが・・
韓国の会社の出来事を私が社長に話をすると、社長は私達に言いました。
【李さん、ソウルでは、本当に嫌な思いをさせてしまい申し訳がないです。しかし、二人ともこの様な事が
あったのに、言い訳もせずに、帰国したね。 李さんが韓国人だろうが、私の社員にこの様な酷い仕打ちを
する様な会社と契約などする必要は無い! 人間には金よりも大切な物がある。
李さんは、何も心配をせずに、これからも私の会社で頑張って欲しい!日本での生活は、私が保証するから心配しないで良い。】と・・・李さんは、号泣していました。
そして、社長は、私達に笑顔で【ただ、これからは、李さんを韓国での通訳には使えないね。 その様な国の会社とは、二度と取引をする事は、ないからね!】
ちょっと、良い話でした。