朝鮮半島有事に
オスプレイは韓国支援に飛べるだろうか?
米韓の海兵隊演習、米のアジアシフトを印象付け
WSJ 2014年 4月 03日 12:53 JST
【浦項(韓国)】東アジアでの海上の緊張が高まる中で、米海兵隊はこの地域で軍備を再構築しており、イラク、アフガニスタン両戦争の間に弱まった水陸戦闘能力の強化に動いている。
海兵隊は今週、韓国軍との合同軍事演習を実施、オバマ政権が軸足をアジアに移すことを強調した。これは、米国が全般的な軍事力を縮小し、アジアシフト政策への疑問が高まる中で行われた。
米当局者によると、米国防総省の歳出削減のさなかでも、海兵隊はアジアにおける兵力を2003年以降では最大規模に増やそうとしている。
この韓国南東部の浦項での演習には、東アジアの同盟国を安心させるという意味合いもあった。米国内での予算抑制や国民の戦争疲れのなか、米国が地域の防衛に意欲的に取り組めるのかという疑問の声も出始めているためだ。
中国の軍事力が高まる中でこうした懸念は強くなっている。軍事専門家によると、同国の人民解放軍は過去数年間に海兵隊を強化しているという。安倍晋三首相の国家安全保障担当補佐官の礒崎陽輔氏は先週開かれたシンポジウムで、「もうアメリカは、はっきり言って世界の警察をしている余裕がなくなってきた。日本が何もせず、アメリカさん、ただで守ってくださいという時代ではないと思う」と述べた。
米国は日本やオーストラリアとの合同演習も拡大している。これらの同盟国は中国に対抗するためそれぞれの水陸両用の兵力を構築しつつある。
イラクとアフガニスタンでは陸上作戦だけに参加したことから「第2の陸軍」とからかわれている米海兵隊にとって、これは本来の任務に戻れるチャンスだ。
第3海兵遠征軍(沖縄)の司令官ポール・ケネディ准将はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、「われわれは大規模な水陸作戦をどう行うか少し忘れてしまったかもしれない」とし、「今、再び本来の任務に戻った」と話した。
その意味で象徴的だったのが3月31日に行われた上陸演習だ。1万3000人以上が参加し、米韓合同演習としては過去20年以上なかった規模で、昨年の演習の倍以上の規模となった。参加兵のうち1万近くは米軍で、うち7500人は沖縄とカリフォルニアの基地から参加したベージュの制服を着た海兵隊だ。残りは韓国軍と若干のオーストラリア軍だった。
「ツイン・ドラゴンズ」と呼ばれるこの演習は大規模な兵力を見せつけた。2週間にわたる演習のメーンイベントでは、11隻の軍艦の一部から発進した水陸両用車に乗った兵士が3カ所の海岸に上陸する場面だった。上陸した兵士たちは連なったトラックの背後にいる正体不明の「侵略者」と戦うために突進した。
米国はこの演習に二十数機の「MV22オスプレイ」を含む55機の航空機を投入した。オスプレイは沖縄の住民の間では、その騒音と墜落しやすいとみられていること―米国は否定している―から不人気だが、小さな島や昨年のフィリピンでの台風などの災害時に柔軟に対応できるため、海兵隊の新しいアジア戦略にとっては重要な装備になっている。
イラク、アフガニスタンへの派兵中はこうした大規模な演習は難しかった。在日米海兵隊司令官のジョン・ウィスラー中将は強襲揚陸艦ボノム・リシャールでの記者会見で、海兵隊のリバランスのプロセスは完了に近づいていると説明。例えば、以前は沖縄の4大隊のうち3大隊は他の場所に派遣されていたが現在は戻っており、またアジア太平洋での兵力は既に1万9000人まで回復しており、17年までに2万2000人に増やすという。
ウィスラー中将は、海兵隊は今年、アジア地域の36カ国のうち21カ国で訓練などを行う予定で、「われわれはこれを相当なリバランスだと見ている」と語った。
同地域での緊張を強調するかのように、北朝鮮は上陸演習の同じ日に、朝鮮半島の西側で数百発の砲撃を行った。これに対して韓国軍も砲撃した。ただ、陸地に着弾したものはなかった。
米韓の軍当局者は、演習は北朝鮮、中国など具体的な国をターゲットにしたものではないとしている。だが軍事専門家は、こうした合同演習は緊急事態への備えである一方で、侵攻への抑止力になると指摘した。防衛省防衛研究所の増田雅之主任研究官は、北朝鮮情勢が不安定になれば、米国と韓国の軍にとっては上陸してその核施設を確保することが重要な任務になると語った。
一方、米海兵隊は日本とフィリピンが創設する水陸部隊と協力している。両国はいずれも中国との間に厳しい領土問題を抱えている。オーストラリアでは米海兵隊の巡回配備と訓練が始まった。
軍事専門家によると、兵力1万以上の中国の海兵隊はここ数年、水陸両用艦を増やし、演習の回数も増やしている。米国防総省は中国の軍事情勢に関する議会への年次報告で、中国の海兵隊は既に「台湾への大規模侵攻はともかく、さまざまな作戦をやり遂げる能力を備えている」と述べた。
(U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Lonzo-Grei D. Thornton, 13th Marine Expeditionary Unit Combat Camera/Released)
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