韓国メディア“嫌韓ムード拡大”報道の真偽 日本人気が高まるほどネガティブに…
外国人観光客でにぎわう大阪・ミナミの戎橋。スーツケースが通行人にぶつかるなどのトラブルも多い
韓国人観光客らでにぎわう大阪で、すし店が大量のわさび入りずしを提供した問題などをきっかけに韓国メディアが「大阪で嫌韓ムードが拡大している」と報じた。韓国人客をめぐるトラブルが相次いでいるのは事実だが、取材すると、嫌韓ムードが拡大しているようには感じられない。なぜ、こんな事態になってしまったのか。
嫌韓ムード報道から数日後の大阪・ミナミの道頓堀に足を運んだ。平日の昼すぎのためか、通行人は大半が韓国人や中国人観光客で、日本人よりも多い。ミナミのシンボル「グリコの看板」前では、スーツケースを道路の真ん中に置いたまま、スマートフォンを取り出し、記念撮影に興じていた。ここ最近のミナミと変わらない風景だった。
きっかけは今月2日、ミナミのすし店が韓国人客らに通常の約1・5倍のわさびが入った握りずしを提供していた問題をホームページで謝罪したことに始まる。さらに10日には南海電鉄の車掌が関西空港行きの急行で「本日は外国人のお客さまが多く乗車し、不便をおかけしております」と車内アナウンスしたことが発覚した。
いずれも事実として認め、「ガリやわさびの増量の要望が非常に多いため事前確認なしにサービスとして提供した」(すし店)、「車掌は乗客間のトラブルを避けるため、付け加えたと話している。再発防止を図りたい」(南海電鉄)とそれぞれ説明、差別の意図はなかったとした。
こうしたトラブルは日本メディアも問題視し、報道したが、韓国メディアの報道はショッキングだった。韓国SBSテレビは11日、大阪へ家族で旅行した韓国人男性が5日夜に道頓堀で日本人の男から息子の腹を蹴られたとインターネットで訴えていることと合わせて報じ、「大阪一帯で嫌韓騒動が勢いを増している」と指摘。男性から事情を聴き、被害が実際にあったと判断した在大阪韓国総領事館もホームページで注意を呼びかけた。
相次ぐトラブルの背景には韓国人観光客の急増がある。国内の外国人の延べ宿泊者数(観光庁統計)は7月が約698万5000人(前年同月比8・9%増)と42カ月連続で増え、大阪府は東京都に次ぐ約105万3000人(同18・5%増)。なかでも韓国人の宿泊先は大阪府が24%で北海道と東京都の各15%を抑え、トップになっている。
当初はインバウンド消費もあり、歓迎ムードだったが、マナーの問題などから嫌悪感を抱く人が増え始めているのも事実だ。
実際、大阪市には韓国人を含めた訪日外国人のマナーについて「(電車の)優先座席まで子供や荷物で占領する」「道でぶつかっても謝らない。キャリーバッグを引いていて危険」などの苦情が寄せられている。市は外国人向けツアーバスの添乗員らを通じてマナーの順守を呼びかけているが、「恒常的な啓発活動はできていない」(観光課)のが実情だ。
韓国事情に詳しいノンフィクションライターの高月靖氏は「韓流ブームのあった2000年代には、韓国を訪れる日本人旅行客が増え、すりや置引にあったり、高齢者から説教されたりするのが定番だった。今は当時と状況が逆転しており、韓国では日本の人気が高まるほどネガティブな情報も広まりやすくなっている」と指摘している。
