被告逃亡、48年前の控訴審再開 26日、広島高裁岡山支部
広島高裁岡山支部で1969年に始まったが、被告の女が逃亡したため長年停止していた覚醒剤密売事件の公判が26日に再開されることが20日、分かった。最高裁によると、2016年末現在、全国の高裁(支部を含む)で45年以上審理が続いている刑事事件は1件のみで、今回の事件が最も長い審理期間になっているとみられる。
被告は現在も消息不明で、今後、一審通りの実刑判決が確定したとしても刑を執行できない可能性がある。
韓国籍の朴福蓮被告(79)は1969年3月、岡山地裁で覚せい剤取締法違反罪などで懲役4年、罰金150万円の判決を受けた。広島高検岡山支部によると、被告側が控訴し、控訴審は3回開かれたが、保釈中の被告が韓国に出国。現在まで日本への入国は確認できておらず、所在調査を続ける高検は発見に至っていない。
控訴審は被告本人に出廷義務がないため、被告不在で公判を開くことは可能だが、担当の国選弁護人も被告と連絡が取れていない状況で、十分な弁護活動は難しいという。広島高裁岡山支部は再開理由について「コメントできない」としている。
岡山大法学部の原田和往教授(刑事訴訟法)は「被告の逃亡で50年近くも公判が停止するケースはめったにない。裁判所の決定は、控訴した側が利益を放棄している状態を問題視したためではないか」と話す。
一審判決によると、朴被告は65~68年、兵庫県姫路市で2人に覚醒剤7・35キロを計1189万円で譲り渡すなどした。
起訴前に容疑者が逃亡した場合は公訴時効の対象になるが、起訴後から判決確定までの間に行方が分からなくなった今回は当てはまらない。
(2017年07月21日 08時02分 更新)
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