「家畜」か「家族」か…韓国の犬肉食用議論どこまで進んだか
2018年08月12日13時14分中央日報
犬は家畜だ。畜産法が定める家畜は全35種で、牛や豚などとともに犬も含まれている。同時に犬は家族だ。韓国人の5人に1人はペットを飼っている。そのうちの約80%が犬だ。犬は畜産法上の家畜でありながらも動物保護法の保護を受けるペットとして二重の地位を持っている。
青瓦台(チョンワデ、大統領府)は10日、「家畜から犬を除外して犬の食用を禁止してほしい」という内容の国民請願に対し、「家畜の範疇から犬が除外されるよう関連規定整備を検討する」という立場を明らかにした。「ペット」としての犬の地位を強化しようとする動きと分析される。ソ・グクファ弁護士は青瓦台の回答に対し、「家畜から犬を除外するのは畜産物ではなく動物保護法上のペットの地位を明確にすることに意味がある。犬を食品として取り扱う認識を改善するために先行すべき法改正がなされるだろう」と評価した。
ただ青瓦台の回答により犬が家畜の法的定義から除外されるとしても、犬を殺す行為が違法になるのではない。動物保護法は首を締めるなど残忍な方法で動物を殺す行為だけを違法としているためだ。犬を食用目的で感電死させた犬農場主に対し「電殺法(電極で感電させて殺す方法)は残忍な方法に該当しない」として無罪を宣告した判例もある。裁判所は畜産物衛生管理法で電殺法を許容しているという点と、犬を食用にしている現実を宣告理由に挙げた。
こうした法的死角地帯を解決するために表蒼園(ピョ・チャンウォン)議員は動物の屠殺を基本的に禁止する内容の動物保護法改正案を発議した。改正案によるとすべての種類の屠殺は基本的に禁止するが、畜産物として活用されたり家畜伝染病予防のための場合、獣医学的処理が必要な場合など一部例外を認める。犬の屠殺が根本的に禁止されれば「残忍な方法」を立証する必要もなくなる。
だが肉犬業界の反対も少なくない。2001年にハンナラ党(当時)の金洪信(キム・ホンシン)議員ら20人が犬の食用を合法化する畜産物加工処理法改正案を発議した。改正案は犬の屠殺と流通、加工などで畜産物加工処理法に基づく衛生指針を守るようにする内容を含んでいたが動物団体の反対に遭い破棄された。肉犬業界はこれに対抗し犬の屠殺を基本的に禁止する動物保護法改正案に対し反対運動を展開した。
議論は現在進行形だ。肉犬業界は7日に青瓦台前で犬肉合法化集会を開き、「畜産法で家畜であり畜産物の犬の肉を畜産法の下位法令である畜産物衛生管理法から除外することにより国民の食品管理を死角地帯に放置して職務放棄する行為が続いている。法律的矛盾が続いているにもかかわらず放置されている」と主張した。犬肉を畜産物衛生法に含めて苦痛を最小化する屠殺法を法制化することで犬肉を衛生的に管理しようという趣旨だ。だが動物保護団体は犬を「食品」とする観点に反対し、畜産物衛生法の改正に反対してきた。
動物保護団体は犬肉の段階的廃止を主張している。数年の猶予期間を置いて肉犬農家に対する補償議論を進めようというものだ。牛や豚など他の動物も飼育・屠殺過程で苦痛を味わうが、なぜ犬を殺すことだけを禁止しなければならないのかという取材陣の質問に、動物保護団体「ケア」のパク・ソヨン代表は「犬だけでなくすべての動物権のために運動しているもの。畜産農家の密集飼育にともなう動物の苦痛問題、飼育面積増加にともなう環境問題などはすべて蛋白質を過消費する食文化と関連がある。長期的に肉類全体の消費を減らしていく方向が正しい」と主張した。