韓国警察、光復節単独デモ阻止しようとかばんの中身も検査 /ソウル
終戦で日本による植民地支配が終わった記念日である光復節の15日、ソウルの光化門広場やソウル駅など都心一帯に警察車両543台によるバリケードが登場した。186の部隊から警察官1万1000人余りが動員された。こうした警備ぶりは大統領の名前を取って「在寅山城(ジェインサンソン)」と呼ばれている。一部の警察官は都心に向かう市民に行き先や身分を尋ねた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が出席して光復節の行事が開かれたソウル市中区の「文化駅ソウル284」(旧ソウル駅舎)周辺では市民のかばんの中身を確認する様子も見られた。市内の道路81カ所には車両検問所が設置された。市民からは「強大な権力が統治した第5共和国時代(全斗煥=チョん・ドゥファン=政権期)に逆戻りしたようだ」との声が聞かれた。
新型コロナウイルスの新規感染者数が連日2000人を超える状況で、「単独デモ」を偽装して多数の市民が集結する変則デモを防ぐため、警察とソウル市は都心封鎖に乗り出した。連休中にコロナの拡散が加速しかねないと懸念したためだ。しかし、コロナ対策を口実に過剰規制を行ったのではないかとの指摘も聞かれる。
警察は歩道を鉄製のフェンスで遮断し、幅約2メートルの「市民通路」をつくり、警察が見守る中で市民に通行させた。一部はくねくねと曲がる迷路のようだった。ソウル駅周辺ではデモと無関係の市民にかばんを開けて見せるよう要求した。韓国外国語大ロースクール(法科大学院)のイ・チャンヒョン教授は「不審者の検問をする場合、犯罪との関連性を示さなければならないが、それなしに市民のかばんを開けさせるのは違法だ」と指摘した。警察関係者は「大統領が出席する光復節行事のため、警備目的でかばんを確認したものだ」と説明した。ソウル都心では同日、変則単独デモを防ぐため、不審者を検問する警察とそれに抗議する市民による口論が至る所で起きた。
15日午前10時、ソウル市中区のソウル駅広場では、ある警察官が旅行用キャリアを引いていた40代女性の行く手を阻み、かばんを開けて見せるよう求めた。警察は中身を確認後、通行を認めた。女性は「休暇に出かける途中、選別検査所に立ち寄り、コロナ検査を受けようとしたのに当惑した」と話した。午前10時50分ごろ、地下鉄光化門駅8番出口から中年女性が太極旗を差した赤いかばんを持って出てくると、警察官2人が盾で前を遮り、「どういう理由で来たのか」と尋ねた。女性が「どこに行こうと勝手でしょう。なぜ邪魔するのか」と抗議すると、警察は女性を通しながらも、後ろ姿を写真撮影した。周辺の会社に出勤する人たちには名刺や身分証の提示を求めた。警察関係者は「通行人の身分を確認した上で、デモ参加者とみられる人物の通行を制止し、う回を求めるのが原則だ」と話した。
集会を阻止するため、公共交通機関も規制された。地下鉄光化門駅、鐘閣駅では一部を除く出口が閉鎖され、午後2時ごろからは地下鉄が市庁、景福宮、光化門の各駅を通過した。光化門周辺でアルバイトをしているLさん(27)は「本来使う5番出口が閉鎖され、別の出口から出たために10分以上遅刻しそうだ」と話した。
一連の帰省で市民が道に迷うと、一部の警察官が道案内をする姿も見られた。高齢者の手を取り、目的地まで連れて行く警察官もいた。
光化門、鍾路一帯では散発的なデモが起きたが、警察が懸念した大規模集会はなかった。大半が「単独デモ」であり、記者会見に参加者が集まったケースでも数十人程度だった。サラン第一教会のチョん・グァンフン担任牧師が率いる国民革命党の「1000万国民1人で歩こう運動」も散発的に行われた。主催者側は「市民が自発的に参加する形態なので、参加者数は把握していない」と話した。警察は14-15日のデモの過程で警察に暴力を振るった3人を立件した。
高麗大社会学科のキム・ユンテ教授は「コロナの新規感染者が増える状況では集会を規制する必要がある」としながらも、「集会・デモの事由は基本権なので、単独デモまで規制するのは行き過ぎの側面がある」と指摘した。