なぜポケモンに熱狂するのか? 答えは「スローガン」にある
ポケモンパン、雨傘、コスメ用品の容器、スマホのアクセサリーまで販売
ゲームに出てくるポケモンを全て捕まえるように、多様な製品を集めることで面白みを実感
今年2月のSPC三立によるポケモンパン再販で始まった韓国のポケモンブームは、簡単には姿を消さない。ポケモンのステッカーが入っているポケモンパンを買おうと思ったら、いまだに、毎朝早くから大手スーパーの入り口で待つ「オープンラン」をしないといけない。SPCグループのバスキン・ロビンスは、ポケモン人気に便乗して「ポケモンキッズ雨傘」「ピカチュウコンテナ」などさまざまな商品を送り出している。LG生活健康・E-LANDワールドなど他の消費財企業もまた、ポケモンのキャラクターを利用した商品を相次いで発売した。サムスン電子も最近、ポケモン関連のスマートフォン用アクセサリーをリリースしたが、ほんの数時間で売り切れになっている。
■一時の流行ではなくファッションになったポケモン
ポケモンブームは、今回が初めてではない。ポケモンは既に世界で最も多くの収益を上げている人気コンテンツで、韓国でも多くの人気を集めた。特に、2017年の拡張現実(AR)ゲーム「ポケモンGO」韓国サービス開始や、ポケモンパン再販時のような特定のきっかけがあるたびに、関連サービスが集中する現象が見られる。淑明女子大経営学部のソ・ヨング教授は「ポケモンの人気は、一瞬輝くだけの一時の流行(fad)ではなく、周期的に繰り返されるファッション(fashion)になったと見ることができる」と語った。
ポケモンのコンテンツの流行は、韓国でのみ起きている現象でもない。韓国でステッカー集めがブームになっているように、米国ではポケモンカード集めがブームになっている。昨年9月、AP通信は「米国人が、ポケモンカードのように子どものころの郷愁が宿るコレクションに狂ったように執着している」と報じた。今年3月には、米国のオークションサイトで、1999年に発売されたポケモン「リザードン」の初版カードが33万6000ドル(現在のレートで約4520万円)で落札されたこともある。
■「ポケモンゲットだぜ!」というスローガンに答えがある
復古ブームで人気を集める商品は、ポケモンのほかにも数多くある。だがポケモンのように、持続的に大規模な人気を集めるコンテンツはまれだ。昨年発売25周年を迎えたポケモンの根強い人気について、専門家らは、何よりポケモンを「集める」というゲームの基本構造が大きな役割を果たしている、と分析した。マーケティング・ブランド専門家の李侑載(イ・ユジェ)ソウル大学経営学科教授は「最近の消費トレンドは、多様な対象や経験を収集し、展示する『コレクト(collect、収集する)』消費であって、さまざまなポケモンを捕獲することが目的のポケモンゲームは、こうした消費トレンドにぴったり合っている」と語った。
1996年にビデオゲームとして発売されたポケットモンスターのスローガンは「ポケモンゲットだぜ!(Gotta catch’em all!)」だ。その言葉の通り、ポケモンゲームの目標の一つは、ゲームに登場するポケモンを全てゲットすること。各シリーズで100-200種類のポケモンがゲームに登場し、プレーヤーはこれらのポケモンを捕獲する過程で面白さを感じる。だから、それぞれ違うポケモンが印刷されたステッカー・カードを集めるのも、同じように大きな人気を得ることになるのだ。英国フィナンシャル・タイムズ紙は昨年2月、ポケモンカードのブームを取り上げた記事で「何かを集めるという行為には、人を没頭させる要素がある」と分析した。
マーケティングもポケモン人気に大きな役割を果たした。1996年にビデオゲームとして初めてリリースされた当時からアニメーション制作を念頭に置き、「ピカチュウ」のようなかわいらしいキャラクターを前面に押し出した。別途の法人まで立ち上げてアニメーションや各種商品を制作しつつ、キャラクターの著作権を管理した。株式会社ポケモン代表取締役社長の石原恒和氏は、ポケモン人気の秘訣(ひけつ)について「ポケモン専門の会社を作るなど、ブランドを特化したから」だとし「アイドルの芸能事務所ではないが、ポケモンという対象をどのように育成すれば面白いかを考えた」と語った。