「ローカル5Gを確実に立ち上げ」サムスン岩男常務が語る日本市場戦略
聞き手◎太田智晴(編集部) 2022.02.01

サムスン電子ジャパン
常務取締役 Network事業本部長
岩男恵氏
ベライゾンとの大型契約をはじめ、サムスン電子が5G基地局市場で躍進している。日本でも長年インフラを供給してきたKDDIに加えて、NTTドコモからも受注した。勢いに乗るサムスンが日本市場で次に狙うのは、ローカル5Gでの成功である。サムスンのモバイルインフラにおける強みと国内での事業戦略について、日本のネットワーク事業の指揮を執る岩男恵常務に話を聞いた。
――モバイルインフラ市場で今、地殻変動が起きています。主たる要因は5Gの開始と、それに伴うオープン化と仮想化の進展、そして経済安全保障の問題ですが、こうしたなか特に大きくシェアを伸ばしているのがサムスン電子です。サムスンの通信事業というと、スマートフォンのGalaxyのイメージが大変強いですが、モバイルインフラでも長い歴史を有していますね。
岩男 ネットワーク装置のマーケットには、1970年代から参入しています。自国のマーケット向けからスタートしたわけですが、転機となったのがCDMAです。実は韓国は、アナログ携帯電話から、いきなりCDMAに飛んでいるのです。
サムスンはCDMA技術の研究開発に注力し、韓国にて1996年に世界で初めてcdmaOneを商用化しました。これがサムスンのネットワークソリューションが世界に広まる、良いきっかけとなりました。
――3Gのベース技術となるCDMAをいち早く採用したcdmaOneは、2.5Gとも呼ばれた方式ですね。日本でもIDOとDDIセルラーグループ、後のKDDIがcdmaOne方式でサービス提供しました。
岩男 このcdmaOneをエンハンスした3G規格がCDMA2000で、「サムスンは商用実績がある」ということから、KDDIがCDMA2000を導入する際に初めて採用されました。以降、サムスンは4G、5GでもKDDIへ基地局を供給しています。2018年に定年退職するまで私はKDDIに在籍していまして、サムスンとはCDMA2000の頃からの付き合いです。
このようにサムスンはCDMAに先進的に取り組んだのをきっかけに、海外マーケットへ進出し始めましたが、やはりグローバルでメジャーな地位を獲得したのはLTE/4Gの時代からです。そして、5Gでさらに伸びました。