いろいろと反対するところも多いけれど、
この人の話はもう少し聞いてみたいな。 ^ ^
[第5回] 前原副代表¥に聞く
民主党政権の外交・安全保障政策は
前原誠司 民主党副代表¥
民主党が政権を取ったら、日本の外交・安全保障政策はどうなるのか。党内で特に米国との人脈が深い前原誠司副代表¥に日米、日中関係を中心に民主党の外交政策について聞いた。
(聞き手・石合力)
━━昨年暮れに会談した、米国側の対日専門家らは、民主党のどういうところを心配していましたか。
前原誠司 当時の小沢代表¥が、シーファー駐日米大使との会談を拒んだ一件などで、非常に不信感を持っていた。私が話をしたのは、(在沖米海兵隊の)グアム移転など個別の政策対応は(党内で)議論しているが、トータルとしての日米同盟関係の戦略を描ききっていない、ということです。(政権をとった場合)だれが外相、防衛相、首相になるかによってかなり違ってくる、という話はしました。戦略的な日米同盟関係、戦略的なパッケージをどう位置づけていくのか、ということも議論した。━━戦略的なパッケージを、いつだれが党の戦略として考えることになりそうですか。
前原 (総選挙に臨む)「次の内閣」の外相や防衛相がやるべきです。しかし、鳩山代表¥は、選挙直前に「次の内閣」を決めると言ったので、だれも自分がなると思っていない。外相、防衛相候補を早く固めて、政権移行チームをつくりグランドデザインをつくる準備を進めなければいけない。外交や防衛では霞が関(官庁)とけんかしていても始まらない。だれが優秀でだれを使うのか、ということも含めた戦略を練らなければいけない。そういうことを菅さんや鳩山さんには(私から)言っていたわけです。
だけど小沢さんに言ったら「選挙に勝てるかどうかわからないのにそんなうわついたことを考えていてはだめだ」ということで、政権移行チームの話は頓挫したままだった。ですからだれも考えないままに来ている、というのが現状です。
鳩山さんが代表¥になられて、私は大きく期待している。幹事長時代から私の話を理解してもらっていた。外交、防衛の担当者のほか、経済産業関係も入るし、環境相も入るかもしれない。そういったところで全般的な日米の同盟関係を考えることが今の民主党にとっては大事。小沢さんの考え方にも一理あるけど、しっかりと政権運営していこうと思ったら周到な準備をしておかなければいけない。
━━イデオロギー対立の時代ではないので、政権交代があったからといって基本政策は変わらないと思うが、どこで自民党と差をつけるのか。
前原 ひとつは、日米同盟関係というのは、アジア太平洋地域の安定のための公共財として必要だし、関係を強化していかなければいけないという点。3月に岡田(現幹事長)さんらと4人でシンガポール、ベトナム、インドネシアを回ったときに議論に出てくるのは、中国の台頭への警戒感がきわめて強いということだ。中国の平和的な発展は望ましいが、(平和を維持する)バランサーとしての米国のプレゼンス(駐留、展開)にも期待している。従って平和の安定のための公共財として米国のプレゼンス、その橋渡し役としての日米同盟関係はぜひ大事にしてほしいという意見だった。
もうひとつは、沖縄の米軍普天間基地移転問題。私には腹案がある。今の政府案より(話が)進むと申¥し上げている。我々が(普天間基地の代替施設について、沖縄県名護市の)辺野古沖への移設に反対したのは、日米同盟関係に反対しているからではない。ラムズフェルド(前米国防長官)自身が言ったように「世界でもっとも危険な基地」を早く返還させることが大切だという考えだからです。事故が起きれば日米関係そのものが問われる。現に(04年に)沖縄国際大に米軍ヘリが墜落した。はやくリスクマネジメント(危機管理)をしなければならない。
さらに、インド洋における(海上自衛隊による)給油活動について。(給油先の他国軍艦船は)「不朽の自由作戦」の海上阻止行動をやっているというが、テロとの戦いに役に立っているのか。テロとの戦いは重要ではあるけれども、作戦そのものを見直す時期に来ている。(給油以外で)アフガニスタン、パキスタンの安定のために我々の出来る最善のものを考えるべきだ、と思っている。
我々は反米でもなければ、ヤンキーゴーホームでもない。普天間というもっとも危険な基地をどう早く返還させるか、あるいはアフガニスタン、パキスタンの安定のために日本が何が一番協力できるのか、と見直す。
━━日米安保がアジア太平洋の公共財という考え方は自民党ともあまり変わらない。
前原 そこで違いを出す必要はない。むしろ関係を維持しながら、いかに日本の自立性を高めていくかという議論はしていかなければいけないですね。自民党政権は米国のご用聞きをしていた。我々は、日本はこうしたいということを提案していく。向こうの要望に合わせるのではなく、こちらでやれる、これでどうだ、という話はしていきたい。
━━小沢さんの在日米軍で必要なのは第7艦隊だけだという発言があったが、くわしい説明がないので、意図がよく分からない。前原さんはどう感じたか。
前原 (在日米軍への)過度な依存からの自立という点からいけば同じ方向性だけれども、時間軸とか戦略環境のおかれている状況とか、米国との信頼関係とか、そういうものがすっぽり抜け落ちている。もし僕が米国側なら、「何で第7艦隊だけでいいと言われなければいけないんだ。あんたら自分で守ってくれ」と全部引き揚げさせますよ。
━━対中関係でいうと、民主党は政党間交流ということで関係を深めてきた。民主党側からすれば関係づくりだが、中国からすれば、よりこちら側に引き込みたいという思惑があると思うが。
前原 (米高官が言ったように)「責任あるステークホルダー(利害関係者)」として中国がふるまってくれることが最も地球益になる。そういうスタンスから、中国の(責任ある)ふるまいを我々は求めていく。その限りにおいては日中協力関係をますます深めていく。
━━そこのところがまさに米国側から出た懸念材料では。
前原 彼らの関心は、(民主党政権になった場合)親米が続くのか、距離を置こうとしているのか、ということなんですよね。正直申¥し上げて民主党の中で幅がある。戦略的に中国とつきあうというバックグラウンドがあって、つきあいをしようとしている人が(党内に)いるなら、それはそれでなるほどな、と思うが、(バックグラウンドのない)ふわっとしたものなんですよね。中国の外交術というのは天才的なところがある。
僕は(中国に厳しいという)色が付いているので、それを逆手にとって(中国には)同じ事を言い続けている。中国の軍事力の増強については重大な懸念、関心を持っている。軍事力の不透明さについては説明責任を果たせ、と。どこにいっても言う。彼らも前原がそれを言うのはわかっているし、逆に僕がいる日中間の会合では彼らから説明してきますよ。
━━安全保障、というのは政権交代、政界再編では、対立軸にならない。
前原 安全保障、というのは政権交代、政界再編では、対立軸にならない、 したくない、というのが私の思いですね。二大政党制で旧社会党みたいに、自衛隊は憲法違反だからとか日米安保破棄とか主張して政権取ったら大変でしょ。そこは共通ベースで、我々は日本のゆるやかな自立とか主体的な外交とか、そういうところに自民党との違いを見いだしていきたい。戦略性とか。米国とはうまくつきあっていくんですよ。ですが武器だって結局米国から買わなければいけない。中国が軍事力を増強する中で東シナ海や(中国が主権を主張している)尖閣諸島で日本の主権を守っていくには良いものを買わなければいけない。中国の存在感が大きくなってきて、日米同盟関係だといってすべて日本の言うことを聞いてくれるわけではない。日本の立ち位置をシビアに認識して米国とも中国ともうまくつきあい、自立というモノを考える。戦略的な外交、安全保障の志向というのが、政権交代と関係なく必要だと思っている。
━━核軍縮問題については、岡田新幹事長が熱心に取り組んでいる。
前原 リアリティー(現実感覚)を持って考えると、オバマ米大統領がプラハで(核廃絶を目指す)演説したのは理想主義でも何でもなくてまさにリアリズム。要はこれだけ核物質が生産され、いろんなところで拡散し始めていると、これから気をつけなくてはいけないのは、核がテロ組織の手に渡るとか、核が実際に使われるという危機が高まっていること。北朝鮮、イスラエル、印パ。イランが例えばヤミのネットワークでどれだけ得ているかもわからない。ひょっとしたらイランのミサイルに核弾頭を積んでイスラエルを攻撃するということも全く考えられないわけではない。テロ組織と核とが結びつけば一番狙われるのは米国だ。だから、そういうものを減らそうと考えていると思う。
http://globe.asahi.com/feature/090608/side/05.html
ご参考
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E5%8E%9F%E8%AA%A0%E5%8F%B8