ナイトラス・オキサイド・システム (英: Nitrous Oxide System, NOS) は亜酸化窒素をエンジン内部に噴射するシステムの名前である。
本来はホーリー・パフォーマンス・プロダクツ社の商標であるが、商標の普通名称化により、他社の同様のシステムもNOSと呼ばれることがある。
亜酸化窒素は高温下で以下のように乖離する。
2N2O ⟶ 2N2+O2
亜酸化窒素をエンジン内に噴射すると、エンジンの燃焼に伴う高温により乖離して、遊離した酸素がガソリンの燃焼を助ける。
空気(窒素:酸素=4:1)が気体5分子で1分子の酸素を持っていることと比較して、反応前の2分子から結果的に1分子の酸素を取り出しているため、もしも吸気を完全に亜酸化窒素に代替した場合には、空気と比べて、一定の吸気量に対し酸素分圧が2.5倍になる。
酸素分圧を高めることにより同排気量でより多くの燃料を燃焼させるという点では、(酸素分圧を選択的に高めるわけではないが)空気を一様に加圧して吸気させるスーパーチャージャーやターボチャージャーなどの過給器も、これと類似したシステムである。
高圧液化されたN2Oが気化する際は気化熱を奪うため、過給器に見られるエンジンの加熱を抑制でき、かつ吸気温度の低下により空気の圧縮率も約1.1倍程度向上する。
吸気冷却という意味ではインタークーラーと類似した効果が得られる。
また、燃焼とは別に、インタークーラーに向けて吹き付けることにより、インタークーラーの冷却効率を上げる手法も存在する。
理論的には、同排気量の場合、通常時のエンジンに対して約247.5 %の出力が得られる計算になるが、実際には吸気を補うものであり、吸気の全てを置き換えるものではないので約150 %程度の出力となる。