文在寅氏、尹錫悦政権を罵倒「こんなにダメな政府は初めて見た」「本当に無知で無能だ」…韓国総選挙は左派最大野党が優勢
【ソウル=依田和彩、中川孝之】韓国総選挙(定数300)は10日、投開票される。
尹錫悦(ユンソンニョル)政権の中間評価となるが、主要メディアは左派系最大野党「共に民主党」の優勢を伝えている。保守系与党「国民の力」は支持者に危機感を訴え、首都圏などの激戦区で巻き返しを図っている。
「今、犯罪者を止めなければ、私たちは本当に後悔するだろう」
国民の力で選挙戦を率いる韓東勲(ハンドンフン)非常対策委員長は8日、ソウル近郊での遊説で語った。犯罪者とは共に民主党の李在明(イジェミョン)代表と左派系新党「祖国革新党」の●国(チョグク)代表を指す。(●は「恵」の心の部分が「日」)
両氏はいずれも、背任や子どもの不正入学などで裁判中の刑事被告人。尹政権を「検察独裁」と批判し、総選挙後の尹大統領の弾劾(だんがい)訴追を示唆するなど、過激な発言でも共通する。
韓氏は8日、仁川(インチョン)で、国民の力から出馬した元喜龍(ウォンヒリョン)前国土交通相の応援に駆けつけた。共に民主党の李代表の選挙区で、知名度の高い元氏が再選を阻む「刺客」として送り込まれた。
総選挙は小選挙区(254議席)、比例代表(46議席)で争われ、野党が優勢との予想が支配的だ。左派陣営が勢いづく中、国民の力の関係者は「保守系有権者が結集する動きがある」と分析する。支持者が多い60歳以上の投票率アップに期待しているようだ。
選挙結果は、無党派層が多く、122議席を占める首都圏(ソウル、仁川、京畿道)が勝敗を左右するとみられる。前回2020年4月の総選挙で、共に民主党は首都圏で103議席を獲得し、全体での勝利につなげた。
李氏は8日にソウルでの演説で、「国民を苦しめる政権に対して、主権者として責任を問うべきではないか」と支持を呼びかけた。
「70年生きてきて、こんなにダメな政府は初めて見た。本当に無知で無能だ」
左派の文在寅(ムンジェイン)前大統領は1日、慶尚南道(キョンサンナムド)梁山(ヤンサン)の自宅近くで尹政権を罵倒した。釜山が地元の文氏は南東部の慶尚南道や釜山、蔚山に支持者がおり、共に民主党の候補らの応援に駆けつけている。この地域は伝統的に保守地盤だが、同党は引退した文氏まで乗り出し、切り崩しを狙う。