日本企業のビック・ディールだよ! 明日の朝刊の経済面はこれでいこうか!!
[東京 13日 ロイター] キリンホールディングス(2503.T:)とサントリーホールディングスが経営統合を含めた可能¥性について検討していることが明らかになった。経営統合が実現すれば、ビール系飲料(ビール、発泡酒、第3のビール)、清涼飲料ともに国内シェアトップの企業が誕生する。
両社が経営統合すると、売上高合計が3兆8165億円(2008年12月期ベース)となり、世界最大級の酒類・飲料メーカーとなる。
<専門家の解説>
すごい話です。
キリンのM&Aチームが偏に優秀、ということがまずあるのだと思います。
着眼点が非常にいいですね。
通り一遍のことは日経に譲りますが、何せすごい決断だと思うのは上場会社同士ではなく、片方のサントリーが非上場会社ということです。
これは株主対応だけではなく、ディール後のさまざまなことを考えるとものすごくリスクが高い。
上場会社のディスクロ基準と全く違う状態で経営されてきた訳で、当然示されている数字なども一つ一つ検証が必要になります。
株主の目にさらされない分、「相当膿がたまっている」のが通常です。サントリーが赤字のビール事業をここまで持ってこれたのも「根性」の一言ですむわけがなく、ある意味不明瞭な会計と決算を駆使してここまで来た、という言い方もできるのです(脱税、とかそういう意味ではありませんぞ)。
その意味ではこの統合はアメリカでは不可能¥だったでしょう。訴訟リスクに耐えられません。
今後の展開はわかりませんが、社長同士の本当の信頼関係、お互いのスペシャルチームの阿吽の呼吸など、アメリカ流M&Aでははかりしえない、数字には出てこないお互いのバリュエーションが存在したからこそ、可能¥になったのではないか、と推測しています。これが日本型M&Aということになるのではないでしょうか。
数字だけにとらわれない、将来を見据えた決断が必要な会社は多々あるのです。
数年後、あるいは数十¥年後にそのあたりの裏話を是非聞いてみたいディールですね。
しかし、課題もあります。
国際的に見てもトップ5を狙える地位になるようですが、このままではいかんせん利益率が低いのです。僕には原因がはっきりしているように見えますね。
世界中のビールなどの飲料メーカーであんなに広告宣伝費を使っているのは日本の会社だけです。
バドワイザーもハイネケンも、ハリウッドスターを使って広告をする、なんてことはありえない。日本だと電通のためにやってるんじゃないか、という位大物女優を平気で使いますね。
そのギャラたるやとんでもないコストであって、欧米の飲料メーカーでは考えられないコストなのです。 最近ではコカコーラもそうですし、ペプシが早くからそういった芸能¥人を使わなくなりましたが、売り上げが落ちた、という話は聞いたことがありません。
いづれにせよ、「日本ブランド信仰」がまだまだ生きているアジアマーケットを制するためにもこのくらいの規模の飲料メーカーが必要だということは確かで、両社が一歩前に出たことは間違いありません。