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オランダ:移民排斥の極右政党台頭、イスラム住民に不安も
選挙集会で支持者と談笑する極右政党「自由党」のバリー・マドレーナー候補(左)=オランダ・ロッテルダムで2009年6月1日、福島良典撮影 4日に欧州議会選挙の投票があるオランダで、イスラム移民の排斥を掲げる極右政党「自由党」が支持を拡大している。背景には、移民流入や欧州連合(EU)拡大に国民の一部が不満を募らせている事情があり、イスラム教徒の住民からは「差別が強まりかねない」と懸念する声も出ている。【ロッテルダム(オランダ南西部)で福島良典】
ロッテルダム南郊の大会議場で1日夜開かれた自由党の選挙集会。ヘルト・ウィルダース党首(45)が姿を見せると約300人の支持者から歓声が沸き上がった。
ウィルダース党首は昨春、イスラム教の聖典コーランを非難する短編映画「フィトナ」を公開し、イスラム世界の猛反発を招いた人物。今春には「憎悪と暴¥力のメッセージを振りまいている」として英国から入国を拒まれた。会場は警官隊が厳重に警戒した。
「オランダのイスラム化を止める」をスローガンに掲げる自由党は、欧州議会選に候補者10人を擁立。比例名簿順位1位のバリー・マドレーナー候補(40)は「イスラム教のイデオロギーは自由にとっての脅威だ。移民を減らしたい」と語る。
欧州最大の港を抱えるロッテルダムは人口約60万人の半分を外国出身者が占める移民都市。集会に参加した、選挙権を得たばかりの女子高校生、リザン・ビネンダイクさん(18)は「3年後には白人は少数派になってしまう。国境を閉じないといけない」と話した。「欧州はキリスト教社会だ。移民の少なかった1950年代に戻りたい」。作家のマリアン・ホウツァーさん(55)も呼応した。
5月末の世論調査によると、オランダ国民の54%は「EU他加盟国からの労働者流入を制限すべきだ」と回答した。自由党は欧州議会選でオランダに割り当てられた25議席中2〜4議席を確保する勢いで、次期下院選でも躍進が予¥想されている。
自由党の集会場近くのモスク(イスラム礼拝堂)を訪れると、喫茶室はトルコ人住民でにぎわっていた。社会相談員のトゥラン・キュルオローさん(55)はオランダ在住38年。「ウィルダース(党首)は、イスラム教徒を追い出したいのだ。経済危機で差別が表¥に出やすくなっており、第二次大戦前のヒトラーのように支持を集めている」と顔を曇らせた。
欧州議会選は4〜7日にEU加盟27カ国で順次投票され、初日の4日は英国とオランダで実施される。
◇「トルコをEUに加盟させない」ウィルダース党首
オランダのウィルダース自由党党首は1日、ロッテルダムで毎日新聞のインタビューに応じた。
−−自由党への支持が増えている理由は何ですか。
オランダ社会の「イスラム化」に対する反対をわが党ほど明確に打ち出している党がないからだ。
−−EUをどう変えたいのですか。
まず、私たちのカネを(EUから)取り戻したい。オランダはEUの中で最大の「持ち出し組」だ。経済危機下、ポーランドやルーマニアではなく、オランダのためにカネを使いたい。次に、EUの権限を経済協力分野だけにとどめたい。そして、トルコをEUに加盟させない。イスラム国家がEUに入る必要はない。【ロッテルダムで福島良典】