北朝鮮制裁、ヒト・モノ・カネ対北包囲網に一歩 5人の渡航を禁止、5社/団体の資産を凍結 国連制裁委
国連安保理の制裁委員会が資産凍結や渡航禁止の対象指定作業を完了したことで、核・ミサイルに
関する北朝鮮の挑発行為への国際社会の対応が一通り出そろった。北朝鮮に核を放棄させるという
究極の目標に向け、「ヒト・モノ・カネ」の流れを封じる国際包囲網の基本デザインが描かれた形だ。
高須幸雄国連大使は「国連による制裁リストがまとまったことは、単に周辺国だけでなく、世界中の国が
制裁措置を実施する義務を負うということであり、日本政府として非常に評価し歓迎している」と述べた。
安保理制裁ではこれまで、北朝鮮を出入りする貨物の検査によって、「モノ」の流れにくさびを打ち込むと
ともに、企業に対する金融制裁で「カネ」の流れを封じてきた。
今回、核開発の技術開発面のトップを渡航禁止とすることで「ヒト」の動きも制限されることになり、
北朝鮮の重要な外貨獲得手段である核・ミサイル技術の国外移転に歯止めがかかることが期待される。
もっとも、こうした制裁措置は、履行しなくても罰則はなく、実効性はひとえに各国の協力にかかっている。
また、個人の制裁指定では15人をリストアップした当初案から、交渉の過程で人数が大きく後退した。
軍関係者や政治指導者といった、北朝鮮の社会構¥造上もっとも権力の中枢近くに位置する層も今回
のリストには含まれていない。しかし、安保理は今後の北朝鮮の反応を慎重に見極めつつ、そうした層を
ターゲットにした実効性の高い追加指定も視野に入れており、その意味では今回は順当に1歩を踏み出
した形だ。
また、団体指定された「香港エレクトロニクス」や「南川江貿易」については、米政府が今年6月に金融
制裁措置を発動しているが、国連の全加盟国の間で制裁対象になったことは、国際的な包囲網を印象
づける上で大きな意味を持つ。
これまで、北朝鮮は国連安保理決議や制裁のたびに反発し、挑発行為をエスカレートさせてきた。しかし、
最近になって、北朝鮮船舶「カンナム号」が米国艦船の追跡を受けて引き返すなど、挑発一辺倒だった
北朝鮮にも微妙な変化がみられる。国連外交筋は「国際社会による包囲網が形成されつつあることは、
確実に北朝鮮に伝わっているだろう」と、制裁がすでに一定の効果を上げ始めているとの見方を示している。
制裁指定を受けた個人・団体リスト
【個人】
ユン・ホジン(南川江貿易社長、ウラン濃縮計画に必要な物資の調達役)
李済善(原子力総局総局長、核計画を総括)
黄錫夏(原子力総局局長、核計画を担当)
リ・ホンソ¥プ(寧辺原子力研究センター元所長)
韓裕魯(朝鮮竜岳山貿易総会社総社長、弾道ミサイル計画に関与)
【団体】
南川江貿易会社(原子力総局傘下で核関連物資の調達を担当)
香港エレクトロニクス(弾道ミサイル取引などの資金移転を担当、イランに拠点)
朝鮮革新貿易会社(大量破壊兵器開発に関与)
原子力総局(核開発計画を統括)
朝鮮タングン貿易会社(大量破壊兵器の研究・開発を行う北朝鮮第2自然科学アカデミー傘下の
貿易会社)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090717/erp0907171856004-n1.htm