「韓国人初のF1ドライバー」を夢見るムン・ソンハク
写真提供=GPKOREA
「韓国人選手はどこ?」
フォーミュラワン(F1)韓国グランプリを見ながら誰もが心に抱いた質問だ。惜しくも韓国にはF1チームがなければ、ドライバーもいない。ところが有望株はいる。中でも頭角を現わしているムン・ソンハク(20)は、レーシング本場の英国で基本を磨いた「海外派」。10歳でカートに入門したムン・ソンハクは、中学生だった2004年に欧州を回って多くの大会に出場した。「レースと勉強を両立するのは大変だった。あきらめたいと思った時もあったが、F1のマシーンに乗りたいという夢だけを抱きつつ耐えてきた」と話す。ムン・ソンハクは07年、英国フォーミュラ・ルノーシリーズで総合9位に入賞し、今年からはフォーミュラBMWパシフィックシリーズに移って9月の中国大会で3位に食い込んだ。また先月31日には、日本の岡山サーキットで開催されたシーズン13、14ラウンドに出場した。
目標はあくまでも優勝だ。「一歩一歩F1に向かって階段を駆け上がっているが、どこかで“優勝”もしてみたい」と話した。「キム・ヨナ選手のおかげで韓国が一気にフィギュア大国になったように、わたしもモータースポーツ分野で“コリアンパワー”を見せつけたい」。
では、F1ドライバーになるには、どうしたらいいのか。他の種目と同じように「早期教育」が必要で、ミニレースの「カート」が出発点となる。「F1の皇帝」ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)は4歳、「F1のタイガーウッズ」ルイス・ハミルトン(マクラーレン)は8歳の時からカートに乗った。
ここでレースの基本を養った有望株は、フォーミュラBMWやフォーミュラ・ルノーなどを通じて本格的に自動車レースに参入する。その後、F3、GP2などを経て、ここで頭角を現わしたレーサーの中から24人だけがF1マシーンのハンドルを握る。
ただ、ずば抜けた才能が認められれば、一気にF1進出を果たすのも夢ではない。2007年にF1チャンピオンとなったキミ・ライコネン(31)は2000年にフォーミュラ・ルノーの12レース中、8レースで優勝するなど驚くような実力を発揮、翌年直ちにF1進出を果たした。
しかし、いくら才能があるからといって、皆F1ドライバーになれるわけではない。ムン・ソンハクを指導するイレインレーシングのチョン・ホンシク理事は「経済的な支援がなければ、才能を開花させることはできない。韓国にF1ドライバーを誕生させるためには、育成プログラムや大企業のサポートは必須」と話した。
陳仲彦(チン・ ジュンオン)記者