学生食堂のメニューに、生徒がそれほど真剣な目を向けることは通常ない。だが、中国の一部の学校では、メニューをめぐる不満が暴動にまで発展している。
中国南西部貴州省の生徒数3000人の全寮制高校で、食堂メニューの値上げに腹を立てた一部の生徒が、学食の窓を割ったり、調理台を壊したり、テーブルをひっくり返すなどして暴れる事件が発生した。中国紙、貴州都市報の報道によると、野菜、肉、ご飯で構成される学食メニューの価格は最近、0.5元(約6円)値上げされた。
中国のブログサイト「チャイナスマック」に掲載された、中国で人気のポータルサイト「網易」に投稿された今回の事件に関するコメントの中には、「繰り返される値上げに、われわれは完全に頭にきた。それだけの金を稼ぐのに、われわれの親がどれほど苦労していると思うのか」といった匿名の学生からの書き込みも見られた。
NetEase.com中国のポータルサイト「網易」に掲載された暴動後の学食の写真
AFP通信が報じた校長の話によると、暴動を最初に起こしたのは10~20人ほどの生徒で、その後数千人を超える生徒が彼らをはやし立て、なかにはボトル入りコーラや袋詰めのラーメンを盗む生徒まで現れたという。中国のミニブログサービス「微博」に投稿されたある生徒のコメントによると、生徒たちは再三にわたって学校側に値上げに対する不満を訴えていたが、聞き入れられなかったため暴動に訴え出たという。
今回の騒動の背景には、中国全土が物価高騰に見舞われていることがある。中国の10月の消費者物価指数は前年同月比4.4%の上昇と2年ぶりの高い伸び率となった。
中国のインフレ率は現在、政府の目標値である3%を超えており、何もしなければ一段の物価上昇と社会不安をあおりかねないとして、中国政策当局の間には警戒感が広がっている。中国国務院は24日、貧困層向けの福祉手当の引き上げと、近年価格高騰が最も激しい食品と燃料価格の上昇抑制に向けて価格統制を敷くことを明らかにした。
中国の一部野菜の価格は、今年に入って60%以上も上昇している。学食経営を委託された民間企業が、食品価格の高騰分の一部を学生に転嫁しようとした理由もそこにある(ボトル入り飲料水についても、0.7元から1元に想定外の値上げが行われている)。同民間企業は今回の件を機に同校との契約を解除された。同民間企業からのコメントは得られていない。
同校当局によると、その後学食の価格は値下げされ、食堂の修復作業も継続中だという。
米ファストフード大手マクドナルドも先週、物価上昇を理由に、チキンマックナゲット、パイ、アイスクリームをはじめとする中国マクドナルドの9つのメニューについて、1元の値上げに踏み切っている。
現在までのところ、マクドナルドで暴動やテーブルをひっくり返すなどの事件は発生していない。
記者: Laurie Burkitt 翻訳: 原 尚子