中部電 異例の要請に苦悩
2011.5.7 21:11
中部電力の浜岡原発。(手前から)5号機、4号機、3号機、2号機、1号機=7日午前、静岡県御前崎市で共同通信社ヘリから
中部電力は7日、臨時取締役会を開き、政府による浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全 面停止要請について受託するかどうか協議した結果、結論を持ち越した。夏場の電力供給力を十分に確保できるか見通せず、業績悪化も避けられないことから、 議論が紛糾したとみられ、8日以降に改めて検討する。
名古屋市内の本店で行われた臨時取締役会は1時間半にわたる議論の末、受諾の結論は 出ず、継続審議となった。中部電は7日「検討内容がきわめて重要な事項で、多くの皆さまに多大な影響を与えることから継続審議とした」とのコメントを発 表。審議項目の“追認”が通例の取締役会で結論が持ち越されるのは珍しく、事前に国と中部電側の調整がほとんどなかったことがうかがえる。
関係者は「電力供給、燃料調達、業績、津波など議論する範囲が広すぎる」と話す。中でも最大の問題は電力供給だ。
3基全てを停止した場合、今夏のピーク見込みに対しての余裕を示す「予備率」は17%から3%程度に急減。電力業界で適正水準とされる8~10%を大幅に下回り、想定外の猛暑となれば管内に大停電を引き起こす可能性もある。
中部電は、供給力確保に向け、休眠中の火力発電所の再稼働を検討しているとみられる。しかし、再稼働には設備点検など数カ月の準備作業が必要で、ピークの夏場に間に合わないことも考えられる。
政府は、関西電力からの電力融通などで対応可能とするものの、関電も約3分の1の原発が定期検査で停止しているなど、中部電への供給余力がどれくらいあるか不透明だ。
業績への影響も見過ごせない。全3基を停止すると、燃料費など年間2500億円のコスト増要因となり、今年度に見込む経常利益1050億円が一転、赤字に 転落する可能性もある。社内には「株主に説明がつかない。国の要請で業績が悪化するのなら、国はその分を何とかしてくれるのか」との声も出ている。
浜岡原発は、古くなった1、2号機がすでに運転を終了。3号機は定期検査のため停止中で、4、5号機は運転を続けている。
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http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110507/biz11050721130014-n1.htm