韓国では近年、中国の地名や人名などを中国語の発音のままハングルで表記している。漢字を使わなく
なったためだが日本人には実に不便だ。以前は漢字の韓国語読みで表記したり発音していたから、漢字を連想しすぐ分かったのだが。
よく出る人名の胡錦濤国家主席は今は中国語風に「フジンタオ」で北京も「ベイジン」といっている。以前なら「ホグムド」で「プッキョン」だった。たとえば日中間でニュースになる尖閣諸島は「ディヤオウィダオ(釣魚島)」と書いたり発音するので何のことか分からない。
この問題では以前から韓国の学者・研究者の間でも論争がある。日本のように漢字を自国式に発音し
表記すべきだという“復古派”と、国際化時代だから現地音に合わせた発音、表記にすべきだという“国際派”が対立している。
最近もその論争的セミナーを傍聴したが、結局、漢字を使わなくなった以上、もう「プッキョン」みたいな韓国式漢字読みの復活は無理という感じだった。
そこで今回、中国が打ち上げた宇宙ステーションの実験機「天宮1号」も韓国では「テングン」といっているが、これではその命名の意味は分からない。新聞は漢字を併記したり「空の宮殿」と説明するなど苦労している。
漢字ブームが続く日本とは大違いだ。(黒田勝弘)