江戸時代初期の「料理物語」という書物です。
1643年に刊行された書物です。書名自体が現代でも通用するしゃれた名前ですね。
「料理物語」の構成は以下の通り、食材や調理法ごとに全20章から構成される。右に各章に登場する食品、料理の種類を付記する。
- 海の魚:71種
- 磯草:25種
- 川いを(川魚):19種
- 鳥:18種
- 獣:7種
- きのこ:12種
- 青物(野菜):76種
- なまだれだし(調味料):14種
- 汁(汁物):46種
- なます:18種
- 指身(刺身):27種
- 煮物:35種
- 焼物:11種
- 吸物:6種
- 料理酒:9種
- さかな:27種
- 後段
- 菓子:13種
- 茶:3種
- 萬聞き書
庶民が好んだ料理をこの書物を通じて料理人がバイブルとしたのでしょう。
おや、第5章には獣肉がありますね。興味があるのでリストを見ましょう。
- 第五 獣の部
- 鹿汁 貝焼き、炒り焼き、干物にしてもよい。
- たぬき汁 山椒味噌の田楽に。
- 猪汁 田楽 菓子(この菓子は意味不明)
- ウサギ汁 炒り焼きに。
- 川うそ 貝焼き 吸い物
- 熊 吸い物、田楽
- いぬ 吸い物 貝焼き
さすがに馬肉や牛肉は当時の庶民には需要がなかったようで、料理人には不用だったようですね。
昔話のかちかち山で、怖い狸汁のお話がありますから、江戸時代の狸汁は料理人はどうしたかを20章(萬聞き書)から読んでみましょう。
- たぬき汁
- 野走り(狸のこと?)は皮をはぐ。
- 味噌汁に仕立てる。
- つまはアイコン(大根?)、牛蒡、その他色々。
- 吸い口はニンニク。
- 出汁に酒汁(味噌汁などに調味料として加える酒を酒塩という)を加える。
いまでも美味しそうですね。
江戸時代末期に牛肉が普及し、狸汁は昔話だけでしか伝わっていませんが、これなら美味しそうな狸汁が復活してもよいですね。
韓国の「伝統料理の復活」とは全く違い、想像で創作する必要がない、生き生きとした狸汁が復活できそうです。
※日本では狸汁など飲食店での提供は禁止されておりません。禁止されているのは虐待で殺す行為などです。
おっ、犬料理があるではありませんか。
徳川綱吉(犬将軍)の前の書物だったので、犬料理もあったんですね。
徳川綱吉(犬将軍)が犬を人間以上に大事にしたので、さすがに綱吉以降は犬は料理人も料理しなかったでしょう。