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西日本新聞 2011.11.28
美容整形が盛んで「整形大国」と呼ばれる韓国。近年、日本を含む外国人患者を誘致する医療観光の「主力商品」として期待を集める。特に釜山市内では、交通の便が良い福岡や大阪からの集客を見込みPRに力を入れてきた。日本側の関心も高まってはいるが、手術への不安や料金面の課題が壁となり、伸び悩んでいる。(釜山・塩塚未)
釜山市内に開業した韓国初のホテル一体型病院

美容整形関係の医院が集まる釜山市の繁華街・西面。日本語の通訳紹介システムなどを用意し、いつでも日本人患者の受け入れができる態勢を整えている所も少なくない。ある医院では今春、日本から観光の途中で訪れたという若い女性が、整形手術について詳しく聞いて行った。電話での問い合わせも毎週のようにある。しかし手術に踏み切った人は「年数件」と打ち明ける。
韓国が外国人対象の医療観光に本腰を入れ始めたのは4年前から。中でも日本に対しては、美容整形が目玉になると関係者はもくろんだ。日本は韓流スターや歌手の認知度、エステへの関心が高い上、日本では保険が適用されにくい整形手術は、韓国で受ける方が割安になると考えたからだ。
だが思うような結果は出ていない。受け入れを推進する「釜山圏医療産業協議会」によると、2010年に釜山市内の医療機関で受診した日本人は約千人いるが、整形手術を受けた人は少ない。毎月数人の患者が福岡や大阪から訪れる市内の形成外科の尹晟豪(ユンソンホ)院長は「シミやほくろ取りなど肌の手入れを希望する人ばかり」と話す。
美容整形が伸び悩む背景について、韓国の医療関係者は「日本人は、親からもらった体を傷つけると感じ、抵抗感が強いようだ」と口をそろえる。手術の安全性や医療事故が起きた場合の補償への不安も根強く、料金についても「手術となれば滞在期間が長くなり結局、割安効果がなくなる」との指摘もある。
一方、中国からは富裕層を中心に、美容整形そのものを目的にしたツアーが多数組まれ、年々人気は伸びている。「韓流スターのようになりたいという憧れが大きく、手術への抵抗感は韓国人と同じくらい少ないようだ」と手応えを感じている。
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そんな中、日本人の人気が高まっているのが、しわ取りなどに効果があるという美容用のはり治療だ。観光客が立ち寄る釜山医療観光案内センターの担当者も「美容用はり治療を望む日本人が多く、日本語対応できる病院を紹介する機会が増えている」と話す。
東洋医学に基づく「韓方医」が、顔や肩回りに針を打つ。費用は1回20万―30万ウォン(1万3900―2万850円)ほどで所要時間は1時間弱。「観光ついでに手軽な感覚で利用できる点が受けている」という。
こうした需要に対応する動きも。市内には今秋、韓国初のホテル一体型の総合病院「スマート病院」が開業。「ホテルと行き来しながら受診できる」のが特徴で日英中ロ4カ国語のスタッフが駐在し、外国人患者を受け入れている。
韓国観光公社の朴哲範(パクチョルボム)次長は「日本は大事な市場。日本人のニーズを見極めた対応が必要だとあらためて感じる」と話し、日本の受診者増に期待を寄せている。