そもそも新幹線とTGVを比較する場合、車内騒音という観点では、新幹線に分が悪いというのは、多少鉄道の知識があれば、常識といってよい。これは、動力集中型にはない動力台車からの騒音が、床下から聞こえてくるせいだ。また、新幹線は、国際規格(ヨーロッパ規格と言い直しても良い)よりトンネルの口径が小さいという点でも分が悪い。
まず動力台車の騒音源だが、これがなにであるかをきちんと押さえておこう。まず、現在の電車はVVVF制御で動いていることはご存知だろう。要はパワートランジスタで、出力を細く切り替えることでモータの出力を制御しているが、その際に、モーターから異音がする。これは出発時と停止時に存在するもので、加速度がない定速になれば、聞こえてこない。つまり、KTXの場合、出発時に静かなのが静かと言っているに過ぎないのだが。
ただ、定速時に静かになるかと言うとそうでもない。動力台車にはモータの他に、モーターからの動力を車輪に伝えるギアがある。これが慣性運行時に「ゴロゴロー」という音を立てる。この音は、経年変化で大きくなる傾向にあり、音が大きいと古い車両だなーと感じる。このギアは、700系以降のグリーン車では別の方式が採用されているので、気にならないかもしれない。
上記2点が動力台車の騒音源だが、台車の位置も問題かもしれない。TGVの場合、車両の継ぎ目にあり、客の座席の下にない。新幹線でも車両の中央あたりは割合静かに感じるものだ。
他にTGVと新幹線共通の騒音としては、車両間の移動の扉からの音の漏れが馬鹿にならない。N700系では幌をかぶせているのはその為だ。また。KTXでもマッドフラップ(客車間ゴム連結カバー)を設置することで、トンネル内の車内騒音を-3dB減らせると気づいたのは、開業後1年以上過ぎてからの事だった。
しかし、騒音、騒音と言うが、騒音は車内騒音ばかりではない。車外騒音の問題がある。「KTXは新幹線より静かnida」といくら叫んでも、車外騒音に大して対決する勇気はないだろう。新幹線では車外騒音が問題で家畜が死んだりして保証問題に発展することはない。
車外騒音の原因は、様々あって一概には言えないが、一番重要なのは軸重だろう。比較の対象は300系だが、これは11tonたらずしかない。一方TGVの機関車は17tonで、ものすごい爆音を室外に撒き散らすことが想像できる。そもそも300系の開発は、スピードアップをしても従来の0系や100系並の最大75dB以下に車外騒音を抑えることを念頭に軸重を減らして開発されたからだ。室外騒音で「KTXは新幹線より静かnida」という主張は、完全に自爆であり、非常に滑稽になる。赤IDの反論は、この点を強調すべきものであっただろう。
最後に鉄道規格について述べたい。日本の規格は、他国より先行したことで、国際規格とかけ離れたものになったことは仕方がない。日本は、計測器の最大値をもってその値に規制をかけているが、計測器の進歩後に取りまとめられた国際規格では、計測時間内のエネルギー(積和)を時間で平均したものを採用している。
とは、言っても、何を計測しているかは同じだ。 車内騒音、車外騒音、それに振動の3種類だ。その振動においても、保線の不徹成さで、規定速度以下の運行が見受けられるKTXに対して、新幹線は優勢であることに変わりはない^^


