
23日午前1時11分頃、神奈川県川崎市川崎区の川崎駅構内でJR京浜東北・根岸線の電車が線路上に止まっていた工事用重機と衝突し、2両目まで脱線転覆する事故があった。この事故で男性運転士(34)と男性車掌(25)の2人が軽いけがをした。営業運転終了後のため乗客はいなかった。
事故に遭ったのは桜木町駅(神奈川県横浜市中区)から蒲田駅(東京都大田区)に向かっていた10両編成の回送電車で、現場は川崎駅のホームから東京駅方向に約200m進んだ所にある。この事故を受けて、神奈川県警と運輸安全委員会は現場の調査を始めた。工事関係者が線路閉鎖を確認せず、さらには正確な作業時間を把握していなかった結果、事故に至った可能性が高いとみられている。
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)横浜支社は午前5時30分から記者会見し、土沢壇総務部長が「お客様にご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません」と謝罪した。車両の撤去や線路の復旧に「相当な時間がかかる」と説明し、事故に遭った電車は定刻通り運転されていたことや、川崎駅改良工事のため工事を委託した業者が午前1時13分から午前4時30分まで線路を閉鎖して作業を行う予定だったことも明らかにした。

この事故の影響で、JR京浜東北・根岸線は現在も蒲田駅と鶴見駅の間で運転を見合わせており、その他の区間でも大幅に本数を減らして運転している。また、送電を一時停止した関係で、JR南武線も午前10時から午前11時50分まで川崎駅と武蔵中原駅の間で運転を見合わせた。
JR東日本では平常通り動いているJR東海道線、JR横須賀線、JR湘南新宿ライン、JR山手線、JR横浜線、京急線、東急線、小田急線などを利用するよう呼びかけている。また、車両の撤去や線路の修復が全力で進められており、通勤・通学のラッシュを迎える24日朝には全線で運転を再開したいとしている。
国土交通省の富田一之関東運輸局鉄道部長はJR東日本の柳下尚道鉄道事業本部長を呼び、警告文書を手渡した。国交省はJR東日本に対し、事故の再発を防止するため、工事の施行管理を検証し必要な措置を講じ、その内容を文書で速やかに報告するよう求めている。
文書を受け取った柳下本部長は「警告を真摯に受け止め、再発防止に万全を尽くします。多くのお客様にご迷惑をおかけし本当に申し訳ありません」と話した。
JR京浜東北・根岸線では2003年10月に、線路内での工事用重機の置き忘れにより、ダイヤが大幅に乱れるトラブルがあった。他の路線でも工事中のミスで長時間不通となるトラブルがあったため、国土交通省は2003年12月、JR東日本に対して鉄道事業法に基づく事業改善命令を出し、工事を委託する業者への管理や施工指示方法を見直すよう求めていた。