
笑い話じゃない! 日立の英高速鉄道のトラブルを中国は「冷静に受け止めるべき」=中国
2017-10-21 09:12
日立製作所の新型の高速鉄道車両が、16日から英国で営業運転を開始したが、技術的問題によって遅延が発生したほか、座席が濡れる水漏れも起きた。このトラブルは、高速鉄道の輸出をめぐって新幹線とライバル関係にある中国でも大きな注目を集めたが、中国メディアの鲁南在線は20日、「中国は今回のトラブルを冷静に受け止めるべきである」と論じる記事を掲載した。
記事は、日本の新幹線に関する技術力は相当成熟しており、安全な運行に関する経験も豊富であるため、今回のトラブルは「笑い話」に過ぎないと考える中国人が多かったと紹介する一方、中国高速鉄道のエンジニアは「偶発的に起きたトラブルではない」と考えているようだと紹介。そこで、「笑い話」と考えるのではなく、中国としても今回のトラブルが起きた背後にある要因を分析し、中国の高速鉄道輸出事業に活かしていくべきであると論じている。
まず、トラブルが起きた背後には、日本には「海外で高速鉄道を建設した経験が足りない」という要因があり、また国内に様々な気候があり、地域によって気象条件、地学的要素が異なる中国に比べ、日本は様々な条件下で高速鉄道を運行させるための経験が圧倒的に不足していると主張。
また、中国は自国を中心とした経済圏の確立を目指す「一帯一路」という国家戦略のもとで高速鉄道の輸出を推進しているのに対し、日本は単純なビジネスとしての「利益」が目的であり、高速鉄道車両で水漏れが起きたのは「品質管理に不足があるためであり、これは利益優先のために品質を犠牲した弊害である」と推察した。
一方で記事は、中国高速鉄道にとって新幹線から学べる点は非常に多いとして、日本が先行する要素だけでなく、日本の失敗からも謙虚に学ぶことによって、「中国は本来であれば数十年かかる道のりを大きく短縮することができる」と指摘。したがって、今回の英国におけるトラブルを「笑い話」とみなすのではなく、「教訓」とすべきであると伝えている。
【サーチナ】
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普通に読めば、冷静さを装った日立・新幹線をディスった記事と読めるんだが、それにしては手の込んだ記事に見える。
単純に「日本製造業の衰退の証明」「日本の鉄道の裏の顔」とショッキングなタイトルでも付けてこき下ろせば良いはずなのだ。実際、ライバル心剝き出しの記事も多いのだし。
この記事には幾つか気になる点がある。
今回の日立のトラブルを「笑い話」と捉える中国人も一定数いるということ。
こき下ろしたいライバルであっても日本の新幹線・鉄道技術に関しては基本的に評価しているらしい。
それにしては原因分析・評価が単純で願望的であること。
海外経験が少ない点を挙げているが、日立は既にイギリスで似たような車両(クラス395)を納品・供用しており、今回のクラス800は、その実績を持って採用された車両なのであって、経験でいえばむしろ「経験を積んだ」国でのトラブルとなり当てはまらない。
中国は国家戦略なのに対し日本はビジネスなので「利益のために品質を犠牲にした弊害である」と指摘しているが、それはビジネスを知らない者の主張だと思う。
ビジネスでは、特に日本では信用・信頼が重要視される(だから日産・神戸製鋼等が大問題になるのだが、ここでは弁明しない。恥じ入るべき問題である)。ましてや日立はイギリス・ヨーロッパでの更なる入札を想定している。少々の儲けを増やすために将来の信用を失うようなリスクを冒すメリットは無い。逆に将来のために儲け減少を覚悟でオーバースペックの品質で不当廉売を仕掛け、取り入る事を目論む方がビジネスとしてあり得る。
もしこれがコストと儲けとの兼ね合いでの問題なら、これは適切な品質を構築できなかった設計力の未熟であり、単純に日立の技術不足ということで事はもっと重大なのだ。
よって記事の主張は「教訓として活用せよ」というものだが、それにしては上記の通り原因分析がお粗末で教訓になるのか疑問に思える。
うがった見方をすると、「国家戦略で単なるビジネスではない」も、「儲けのために品質を犠牲」というのも、実は中国当局自身に向かって言っているのかもしれない。
「手抜き」「官製お手盛り計画」「国家目標最優先」がお家芸の中国である。設計・品質維持管理・コストに対し手を抜くなと中国自身に暗に言っているのだ、とした方が結構当てはまる気がする。
もっともそこまで真剣に考えているなら、という前提だけどね。