「扱いにくい…」日米中そろってKOREA疲れ?
【黒田勝弘のから(韓)くに便り】「扱いにくい…」日米中そろってKOREA疲れ?先の米国での米中首脳会談の際、習近平国家主席が「韓国(コリア)は実質的には中国の一部だった」と語ったという話を、トランプ大統領が米国メディアとのインタビューで紹介したというニュースが韓国に伝わり、大騒ぎ(?)になっている。
英語では「KOREA actually used to be a part of China」だが、習氏が本当にそういったのか、両国政府とも“真相”は明らかにしていない。
にもかかわらず韓国の外交当局者は早速、「一顧の価値もない話」としながら、「報道が事実かどうかは別にして、過去数千年間の韓中関係の歴史において韓国が中国の一部ではなかったという点は国際社会が認める明白な歴史的事実である」と、えらく肩に力の入った批判の“論評”を出している。
一方、北京からの報道によると、中国外務省の報道官は記者会見で「韓国国民が気にする必要はない」と一言だけ答えたという。こちらの方が文字通り「一顧だにせず」で、そっけない。
韓国ではメディアを中心に「トランプ氏の誇張ではないか」「通訳ミスかもしれない」などと、「発言は事実であってほしくない」という気持ちをにじませながら、「習氏の発言にトランプ氏が共感したとすれば大問題だ。大国間で韓国の歴史について歪曲された議論が行われることは“韓国抜き”の問題処理につながる」などと警戒感を強調している。
韓国では「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備に反対する中国の“イジメ”に遭って反中感情が高まっていた。そこに韓国お得意(?)の歴史問題が飛び込んできたため対中反撃のチャンスが生まれたというわけだ。
韓中間では、朝鮮半島から大陸にかけて存在した古代国家・高句麗の帰属問題が、以前から「わが国の歴史だ」と主張し合うガチンコの歴史紛争になっている。経済発展による国力増大と自信を背景にした歴史の奪い合いである。今回の問題もその流れにある。
ただ、近年の中国の覇権意識というか膨張主義は目に余るとして、一方の韓国も昔、国名や年号まで中国にお世話になるなど外からは「中国の一部」とみられかねないような歴史(日本ではそれを「服属」といっている)があったのは事実だから、猛々しくなるのはいささかみっともない。
それより、そんな昔話は別にして、朝鮮戦争(1950-53年)の際の中国の“侵略”に対し、韓国はいまなお中国から「謝罪」も「反省」もしてもらっていない。中国とすれば朝鮮半島に大軍を送り込んでも「中国の一部」だから謝罪も反省もしないのでは?
今回の「発言」は習氏が北朝鮮問題にからんでトランプ氏に語った“歴史解説”から出てきた話という。つまり北朝鮮を含め「コリア」が中国にとってはいかに扱いにくい相手かを説明したものと思われる。日本が韓国で苦労しているように中国も北朝鮮に苦労しているのかもしれない。となると朝鮮半島をめぐって日米中が同じような心境になっているようにみえる。そこから北朝鮮問題打開に向け、何か糸口みたいなものが探せないものかな。