マスク大乱1カ月で「台湾のコピー」、露呈する政府の実力差
韓国政府は5日、国民1人が薬局で買えるマスクを週2枚に制限する対策を発表した。身分証を確認した後でマスクを売り、家族であっても代理購入を禁じるなど、マスク配給制をやろうというのだ。韓国政府のマスク対策は先月12日、26日に続き今回で3回目。過去1カ月間の「マスク大乱」で、韓国国民の苦痛は大きかった。防疫当局はマスクの着用に関して、当初は「公共交通機関の利用、公共の場所への訪問時にマスク着用」を勧めていたが、マスクの需給調整に失敗すると、今では「米国、WHO(世界保健機関)もマスク着用を勧告していない」と言葉を翻している。大統領は先月25日に大邱を訪問した際、「マスク供給は十分」と言い、3日後に与野党代表と会談した席では「あす、あさってまでには効果があるだろう」と発言した。しかし今月3日、結局「国民に対し恐縮」と言った。政府への信頼度は急激に低下している。
政府の真価は、危機の状況で現れる。武漢コロナ事態は、各国政府の危機対応の実力をありのままに示している。台湾は、直面している状況が韓国と最もよく似ている。2018年現在での中国との貿易額は、韓国が296兆ウォン(現在のレートで約26兆4000億円。以下同じ)、台湾は275兆ウォン(約24兆6000億円)。両国いずれも中国経済への依存度が高く、地理的な位置も近い。人口は韓国の半分の水準だが、人口密度は似ている。ところが、両国の措置は明らかに異なり、結果も違っていた。台湾は、湖北省武漢が封鎖された翌日に医療用マスクの輸出禁止措置を発動し、先月6日からマスクの価格統制に入った。「薬局で週に1人2枚だけ購入」という対策も打ち出した。マスクの需給が円滑になり、国民の不安も消えた。逆に韓国は、国内のマスク需給がどうなるか分からないまま、中国へのばらまきを行った。国民が1カ月にわたってマスク大乱に見舞われた末、韓国政府は、ほぼ1カ月前の台湾の政策をそのまま持ってきて施行したいとした。香港政府は、医療陣のマスク不足問題に備えて「公務員はマスクを着けるな」と指示した。韓国では、そうした姿すらない。
武漢コロナは、まだウイルスの正体が完全には判明していない。無症状・軽症の状態でも感染が起こり、完治した患者がまた感染し、潜伏期間が1カ月を超える患者が出てきている。不確実性が高いこうした状況では、感染源の流入遮断という防疫原則に忠実でなければならない。実際、中国とのドアを早々と閉めた国で防疫がうまくいっている様子だ。5日現在でフィリピンの患者数は3人、ロシアは5人、ベトナムは16人、台湾は42人だ。逆に、湖北省などに限って入国を遮断したり、中国の観光客の流入を事実上放置したりしてきた韓国、イタリア、イラン、日本は1000人から6000人の水準となっている。問題が起きて初めて、どの政府に実力があるのかないのか、明らかになっている。