
2010Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝が、11月3日(水・祝)に国立競技場で行われる。今シーズンのリーグカップウィナーの栄誉を懸けて対決する のは、磐田と広島。9年ぶり5度目の決勝進出となる磐田は、勝てば12年ぶり2度目の優勝。一方、広島は初の決勝進出で、ビッグタイトル獲得へ意欲を燃や す。
磐田はエースストライカーのFW前田遼一への期待が大きい。昨シーズンからJ1リーグ戦とヤマザキナビスコカップで、広島と合計5試合を戦っているが(3 勝1分1敗)、磐田の挙げた6得点はすべて彼が決めたものだ。自らの得点はもちろん、長身を生かしたポストプレーや、巧みなテクニックを発揮してのチャン スメークで磐田の攻撃をけん引する。両チームが1-1で引き分けた10月16日(土)のリーグ戦第26節でも同点ゴールを決めており、広島のGK西川周作 も「同じ相手にやられているので、そこは注意したい」と警戒。この得点は磐田が得意とするサイドからの攻撃によるもので、広島のDF槙野智章は「サイドの クロスを簡単には入れさせないこと」を対応策に挙げる。前田が厳しいマークを受けるようだと、FWジウシーニョなど周囲の動きが重要となる。サイド攻撃の 鍵を握るのは、左の船谷圭祐、右の西紀寛という両MF。彼らはミキッチ、山岸智など広島MF陣によるタッチライン沿いの攻めに対処する役割も担う。ボラン チを務めると予想されるDF那須大亮が、攻守のバランスを維持することも大切。MF成岡翔の得点力、MF菅沼実の突破力も、貴重な攻撃のオプションになる だろう。
磐田の得点の期待が前田ならば、広島のそれはFW李忠成だ。リーグ戦では第23節から5試合連続得点。第26節の磐田戦でも先制点をマークするなど、 「(ヤマザキナビスコカップ)決勝の自信になる」と大舞台での活躍が楽しみな存在だ。広島の攻撃をリードするのは、この好調な1トップにMFの高萩洋次郎 と高柳一誠が絡むトライアングル。磐田は、彼らの多彩な攻めを、ボランチ、そしてDF古賀正紘とDFイ ガンジンといったセンターバック陣がしっかりとマークすることが必要だろう。さらに忘れてならないのが、槙野の攻撃参加とセットプレー。チャンスと見る や、積極果敢に相手ゴール前へ進出してくる彼は、磐田の西に「あんなに速いとは思っていなかった」と言わしめたスピードの持ち主。FKから直接ゴールも狙 える広島の得点源の一つだ。予想されるディフェンスラインは槙野、DF横竹翔、DF中島浩司の3バックで、ベンチにはDFストヤノフも控える。ジェフユナ イテッド千葉に所属していたストヤノフと中島は、それぞれ2005、2006年にヤマザキナビスコカップ決勝の舞台に立ち、優勝の感激を味わった。やはり 千葉で両大会の優勝に貢献した山岸と共に、彼らの経験はチームにとって貴重なものとなる。
「広島のやり方は変わらない。分析はできている」(磐田の柳下正明監督)、「磐田のやりたいことは、はっきり分かった」(槙野)と、包み隠すものはない 真っ向勝負。「決勝は特別な試合。特にエモーショナルな部分」(広島のペトロヴィッチ監督)をうまくコントロールし、プレーに生かしたチームが栄冠に近づ くだろう。