ソウルからヨボセヨ アドリブ車内放送
2012.4.14 03:10 [外信コラム]
東海林さだおの人気サラリーマン漫画「タンマ君」(週刊文春)だったと思うが、こんなのがあった。石川さゆりの『津軽海峡冬景色』が大ヒットしたころのことだ。漫画は、JR上野駅のホームで駅員がマイクを手に列車の発着を案内放送している場面だった。
駅員はいつものように上野駅発の列車についてホームで案内放送を始めたのだが、間違えてしまった。石川さゆりの歌が一世を風靡(ふうび)していたため、口ぐせでつい「上野発(の)夜行列車降りた時から、青森駅は…」とやってしまったというわけだ。
この笑い話を思い出したのは、ソウルで最近、地下鉄の車掌の“アドリブ車内放送”が問題になっているからだ。日本と同じく日常の車内放送の内容は当然、発着のお知らせや乗り降りの際の注意など決まっている。ところがある車掌が駅に着いた際、数分発車を遅らせ、車内放送で自分の人事の不満を乗客に訴えたという。
配置換えが気に入らなかったからというのだが、明らかに公私混同。しかし地下鉄ではどうやらアドリブ風の車内放送を結構やっているようで、たとえば「少子化時代の妊産婦は国家有功者なのでぜひ座席をお譲りください」など人気とか。韓国人はマニュアル嫌いで臨機応変の“字余り文化”とはいうものの…。(黒田勝弘)