日本原電、徹底抗戦も崖っぷち 廃炉で経営危機の恐れ
2013.5.23 00:06 (1/2ページ)
日本原子力発電の敦賀原発(手前から)1号機、2号機。右上は昨年に調査が行われた試掘溝=福井県敦賀市で共同通信社ヘリから
日本原電は、原子力規制委の判断について「断じて受け入れることはできない」とのコメントを発表、徹底抗戦の構えを崩していないが、今後廃炉の決断を迫られる公算が大きい。規制委には廃炉を求める法的権限はなく、廃炉はあくまでも日本原電の判断となるが、保有する他の原発2基も運転再開は難しい。頼みにする電力業界からの支援にも限界があり、崖っぷちに追い込まれつつある。
日本原電と受電契約を結ぶ東京、関西、北陸など電力5社は受け取る電気がゼロでも、固定費に相当する「基本料金」を年間1千数百億円支払っている。このため、経営危機が一気に表面化する可能性は低い。
ただ、電力各社は原発停止に伴う火力発電の燃料費増加で経営が悪化する中、基本料金を支払い続ける余力は乏しく、大幅な減額に乗り出している。規制委の判断を受け、「再稼働する見込みがないのに支払い続けるのはおかしい」との批判が高まり、支払いが難しくなる事態も予想される。

日本原子力発電の敦賀原発(手前から)1号機、2号機。右上は昨年に調査が行われた試掘溝=福井県敦賀市で共同通信社ヘリから
日本原電は敦賀1号機が運転開始から43年が経過して「原則40年」の運転制限に抵触、東海第2原発(茨城県)も地元自治体は運転再開に反対している。敦賀3、4号機の増設計画も実現の見通しが立たず、事業継続の展望は開けない。
敦賀2号機が廃炉措置に移行した場合は原発の設備を会計上の資産として扱えなくなり、巨額の損失が発生。日本原電は“命綱”ともいえる基本料金の収入も失うことになり、経営が行き詰まる恐れがある。
多額の廃炉費用の分担などを通じ、日本原電に出資する電力各社の経営にも大きな影響が及ぶのは避けられない。電力業界には「廃炉などの費用の取り扱いは国と協議しながら検討していくべきだ」(電気事業連合会の八木誠会長)と、国の関与を求める声もある。