全世界で爆発的なブームを起こしているスマートフォンゲーム『ポケモンGO』。7月25日現在、まだ未配信だが、韓国でも大きな人気を呼んでいる。なぜかプレーできる江原道・束草(ソクチョ)市には多数のマニアが殺到し、すでにダウンロードした韓国人の数は100万人を突破していると言われているほどだ。
そんな韓国で今、声高に叫ばれているのが、「なぜ韓国では『ポケモンGO』のようなゲームは作れないのか」だ。“ゲーム大国”を自認してきた韓国だけに、メディアやネット住民たちの間では、『ポケモンGO』が話題になればなるほど、このテーマが議論に上がる。
『ポケモンGO』に熱狂するのは日本オタクたち
例えばテクノロジー&サイエンスメディアの『HOOC』は、「韓国で『ポケモンGO』が生まれない理由」という記事の中で、次のように指摘している。
「現在、韓国で『ポケモンGO』に夢中になっているのは28歳から32歳のいわゆる“ポケモン・オドック”たちだ。彼らが子供の頃に熱狂したのは、ディズニー、セーラームーン、スーパーマリオ、チャンク(クレヨンしんちゃん)、スターウォーズ、僕たちはチャンピン(爆走兄弟レッツ&ゴー!! MAX)、あずまんが大王だった。残念ながら国内コンテンツはひとつもなった」
(参考記事:日本アニメのコスプレが韓国でも人気。日韓関係を好転させる可能性秘めた“オドック”とは?)
つまり、多くの若者たちが日本の文化に慣れ親しみ、そのひとつである『ポケモンGO』に熱狂するのは当然のことである一方、韓国が20~30代の世代を熱狂される自前のコンテンツを作れなかったことを批判する声が多い。
二番煎じで『ポロロGO』を開発!?
「なぜ韓国では『ポケモンGO』のようなゲームは作れないのか」ではなく、「なぜ韓国は『ポケモン』のようなコンテンツを作れなかったか」と嘆いているわけだ。とある識者も、残念そうに言っていた。
「韓国には『ポケモン』のように数百のキャラクターを保有し、全世界で愛されているキャラクターはない。知的財産(IP)不在なのだ」
そんな中、韓国では国民的人気を誇り、一部海外にも進出している『ポンポン ポロロ』を活用せよとの声が上がり、『ポロロGO』の開発も噂されているが、仮に完成したとしても『ポケモンGO』のように世界的にヒットし、愛されることはないだろう。
「死んで蘇っても韓国では無理」
それは、韓国のゲーム業界の状況とも無関係ではない。一般紙『ソウル新聞』も、「死んで蘇っても韓国では『ポケモンGO』を作れない理由」という記事の中でこう指摘している。
「韓国のゲーム業界はゲームを“収益創出”のための手段と認識する傾向が強い。課金誘導に重点を置いた千篇一律的なゲームが量産される状況で、(『ポケモンGO』のように)独自的特色を持った作品が生まれることを期待するのは難しい」
韓国人は耳が痛い厳しい指摘
『ポケモンGO』はプレーヤーたちに課金や金銭的な誘引のような要素なくとも、自ら外出し地域経済に尽くし自分たちも健康になっている…….。記事はそう説明しながら、韓国では『ポケモンGO』が生まれない理由について指摘しているが、その論調は厳しく、しかしズッバッと本質をついて韓国人には痛い。
「既成世代は“何の徳にもならない”という理由でゲーム文化を蔑視し、企業は面白いゲーム・システムよりも安定的な収益構造の開発に熱中する。政府はゲームを有害媒体と定めながら、ゲーム産業の経済的効果は大事にする二律背反的な態度を見せている。しかも、一部のゲーマーたちですら、“楽しさ”よりも“勝利”に執着して各種の便法プログラムを使用している。(省略)。楽しさを至上課題にしなければいけないゲーム産業の当然の属性が、今なお浅薄に軽んじている我々には、まだまだ道程は遠い」
『ポケモンGO』の世界的人気を目の当たりしながら、自らの現状と限界に嘆く韓国。皮肉な熱狂が聞こえてきそうだ。