吸収しきれない企業をなぜ買収しようとしたのか。激しい企業買収戦に勝利した喜びもつかの間だった。「勝者ののろい」というわなにはまり、苦しい試練を味わう韓国企業が増えている。
錦湖アシアナ・グループは年初早々、ソ¥ウル市中心部の新門路にある錦湖生命社屋を売却した。価格も時価を大きく下回る2400億ウォン(約160億円)だった。錦湖生命まで売りに出したが、買収希望者に大きく値切られたため交渉が難航している。全てグループの資金事情が苦しいためだ。2006年11月と昨年1月に買収した「大魚」。すなわち大宇建設と大韓通運のせいで錦湖が苦境に陥った、と専門家はみている。両社を買収するために錦湖グループが支払った資金は10兆5000億ウォン(約6920億円)に達する。錦湖グループは資産売却などで流動性を十¥分に確保できると自信を示しているが、国内外の資金市場は状況が思わしくない。
斗山も同様だ。2007年12月に51億ドル(約4610億円)で米重機メーカーのボブキャットを買収したことが足かせになっている。斗山はボブキャット買収により重工業グループとして飛躍する野心に満ちていたが、ボブキャットは世界的な景気低迷の壁を乗り越えられず経営難に陥っている。斗山は昨年、ガラス瓶メーカーの斗山テクパックを4000億ウォン(約260億円)で、焼酎「チョウムチョロム」を生産する斗山酒類BGを5030億ウォン(約330億円)でそれぞれ売却したように、優良系列企業を手放さなければならないボブキャット後遺症に苦しんでいる。
東国製鋼はほぼ手中に収めた双竜建設買収をあきらめた。契約履行保証金231億ウォン(約15億円)を失う不利益まで被った。不況で資金事情が悪化したことが主因だった。東国製鋼は建設不況で双竜建設の株価が下落したことを考慮してほしいとして、事実上買収価格の引き下げを求めたほか、1年間の買収猶予¥を要求したが、売却側の資産管理公社が受け入れなかった。
ハンファ・グループはさらにとんでもない状況となっている。大宇造船海洋の買収戦で強力なライバルだったポスコ、GSグループがコンソ¥ーシアム崩壊で入札資格を失ったことにより、ハンファは大宇造船海洋の買収に向けた優先交渉対象者に浮上する漁夫の利を得た。当時、ハンファは歓呼の声に包まれた。しかし、そこまでだった。金融収縮で買収資金6兆3000億ウォン(約4150億円)を調達するのが不可能¥になったためだ。ハンファは既に売却側の産業銀行に履行保証金3150億ウォン(約210億円)まで支払った状況だ。