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【ソウル=峯岸博】韓国外務省は31日、2015年12月に発表した従軍慰安婦問題をめぐる日韓合意を検証する作業部会を設置したと発表し、初会合を開いた。合意内容に至った交渉過程を調査する。日韓合意の再交渉を掲げて当選した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の意向に沿った措置。文氏は検証結果を踏まえ日本への対応を決める。
年内に検証結果をまとめる予定。日韓合意は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」をうたっており、文政権の出方次第で日韓関係が再び「冬の時代」に後戻りする懸念もある。
作業部会の委員長には革新系韓国紙ハンギョレの論説委員室長などを歴任した呉泰奎(オ・テギュ)氏が就任。日韓関係や国際法、人権問題などの専門家ら計9人で構成する。呉氏は今後、元慰安婦らと面談して意見聴取する考えを示した。
康京和(カン・ギョンファ)外相は作業部会の委員らに「被害者中心主義にのっとり、慰安婦合意を綿密に検討してほしい」と求めた。康氏は外相候補時代に「慰安婦合意にはいぶかしい部分が多い」と指摘し、(1)日本政府が財団に拠出した10億円の性格(2)「最終的かつ不可逆的な解決」との表現――などを挙げた。
最大の焦点は、検証後に文氏が合意の破棄や再交渉に踏みきるかどうかだ。康氏は再交渉も選択肢の一つになるとみる一方で「合意を守ることが国際社会の慣行だ」とも指摘する。文氏は問題の解決には時間がかかるとの認識を示している。
歴史をめぐる対立を外交問題に発展させないのは文政権が掲げる対日政策「ツートラック」路線の柱。南北問題を優先する文政権にとって北朝鮮核問題での連携を見込む日本と歴史問題で対立が先鋭化するのは得策ではないとの判断もある。
ただ、文氏は就任後も「大多数の韓国国民が情緒的に受け入れられない」と合意を批判してきただけに「合意をそのまま受け入れる」との選択肢はないとの見方が多い。最終的に、元慰安婦一人ひとりに日本の首相の手紙を渡す案などを含め、日本側に元慰安婦支援で何らかの追加措置を迫る可能性が大きい。

一方、日本政府内には韓国側の「慰安婦の日」の制定方針や、閣僚から相次ぐ日韓合意に逆行する発言への不満がたまっている。ただ現在は北朝鮮対応での連携が最優先。折に触れて日韓合意の履行を求めながら検証の推移を見守る構えだ。外務省幹部は「当面は意見の相違に焦点を当てず、対話を重視せざるを得ない」と苦渋の表情で語る。