トランプ氏とトルーマン元大統領の奇妙な符号
8日、米ニュージャージー州のゴルフ施設で北朝鮮情勢について話すトランプ大統領(ロイター=共同)
http://www.47news.jp/47topics/himekuri/2017/08/post_20170809124244.html
米東部ニュージャージー州ベッドミンスターのゴルフ場施設で休暇中のトランプ米大統領は8日、急きょ記者会見を開き、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し「米国をこれ以上脅さない方がいい。世界が見たこともないような炎と怒りに直面することになる」と武力行使を示唆して警告した。米紙ワシントン・ポスト電子版も同日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載可能な小型核弾頭の開発に成功したと米国防総省傘下の国防情報局(DIA)が分析していると報道。情勢はいっそう緊迫の度を強めている。
「世界が見たこともないような炎と怒り」というかってない激しい言葉遣いをしたことについて、CNNテレビは「北朝鮮に対する驚くべき最後通牒」と形容。米朝両国の激しい言葉の応酬が、軍事衝突など不測の事態を招きかねないことを警告する安全保障問題専門家の言葉を紹介した。
一方、米誌ニューズウィーク電子版は、トランプ大統領の言葉は具体的な米軍の軍事行動や核戦力行使について言及したわけではないとしながら、広島、長崎への原爆投下を命じたトルーマン元大統領の言葉に奇妙なまで似ているとして、米国の核使用の可能性に警鐘を鳴らした。
トルーマン元大統領の発言は、1945年8月6日、世界で初めての原爆使用を国民に告げた声明で「16時間前、米軍機が一つの爆弾を広島に投下した。その爆弾はTNT火薬換算で2万トンの爆弾以上の威力を持っていた」との言葉で始まる。真珠湾攻撃により日本が米国を太平洋戦争に引きずり込んだことを指摘した後、元大統領は使われた爆弾が「原子爆弾だ」と初めて明らかにした。
声明は「それは宇宙の基本的な力を利用したものだ。太陽がそのエネルギーを引き出す力が極東に戦争をもたらした者たちに向け放たれた」と続く。その上で、日本が無条件降伏を求めたポツダム宣言受け入れを拒否したことに触れ「もし、日本の指導者が(宣言が求める)われわれの条件をなお受け入れないのなら、雨あられのような空からの破滅を迎えることになるかもいしれない。それは地球上でだれも見たことのないような破壊だ」と、さらなる原爆使用の可能性を示唆した(実際にそれから3日後、世界で2回目の原爆が長崎で使用された)。
折しも、日本では広島、長崎への原爆投下から72年の原爆の日を迎えた。正直まさかとは思うが核戦争は絶対、あってはならないことだ。ニューズウィークが指摘する奇妙な符号が現実とならないことを願うばかりだ。 (47NEWS編集部 太田清)