韓国では「サオジョン」という言葉がはやっていた。これは45歳定年制の意味で使われていた。
韓国企業の定年は60歳だが、45歳になると肩たたきが始まっていたのだ。ところが、韓国には関係会社への再就職あっせんなどがないらしく、多くの人がチキン店を開業していた。
今も韓国ではチキン店が繁盛しているのかと思い、記事を探っていると、情報サイト「ビジネスジャーナル」(19年8月31日)に高月靖氏が「1時間で1軒廃業─韓国チキン店、大量の失業中高年の墓場化 歪(ゆが)んだ韓国社会の縮図」というチキン店の詳細なリポートを書いていた。
それによると次の通り。
19年2月現在、チキン店は8万7000軒もあるという。韓国人600人当たり1軒の割合。日本のコンビニは2300人に1軒だから、チキン店の密度はコンビニの4倍も高い。
韓国の平均退職年齢は、49.4歳で、多くがフランチャイズ方式でチキン店を開業するようだが、今では、過当競争で創業より廃業の方が多くなり、多額の借金を抱えて苦労する中高年が増えた。
韓国は、日本とは比べものにならないほど中高年に対して厳しい。その理由について、ある韓国人ジャーナリストは、1997年から98年にかけてのアジア通貨危機で国家がデフォルト(債務不履行)寸前にまで追い詰められた韓国が、一気にグローバル経済に舵(かじ)を切ったためだと解説してくれた。
その頃から韓国では実質的に「サオジョン」が定着し、チキン店が増え始めたという。中高年に対する過酷な歴史は20年以上も続いているのだ。
