【産経抄】
ハンバーガーチェーンのロッテリアでは、新製品の「絶妙ハンバーガー」を注文した客が「おいしくない」と申¥し出れば、代金を返してくれるという。味に関係なく代金を要求する客も当然出てくる。それを織り込み済みで、宣伝効果を狙ったようだ。
▼「まずい」と文句をつけて、突っ返すことができるものといえば、テイスティングの機会があるワインが挙げられる。発行部数200万部を突破した超のつく話題の長編小説『1Q84』のなかに、こんな場面がある。
▼主人公の一人、青豆が、友人とフランス料理店のテーブルにつくと、知り合いのシェフが、サービスだと、高級ワインをもってきた。前日に訪れたさる高名な政治家が、味にクレームをつけたワインだが、実はなんの問題もないと、シェフはいう。
▼「ほんとうはワインのことなんてろくにわかっちゃいないんだ。ただ人の手前、格好をつけるためにいちおうクレームをつけるんだよ」。全体は奇想天外な物語なのに、細部は驚くほどリアルに描かれている作品だから、このエピソ¥ードも、作者の村上春樹さんの見聞に基づいているに違いない。
▼そんな政治家のなかで、一部の自民党議員が今、ワインならぬ麻生太郎首相にクレームを突きつけている。こんなひどい味では、総選挙の大事なテーブルに出せないというのだ。もっとも、3本目、いや3人目まで、取り換えるのは、いくらなんでもみっともない、という声も根強い。自民党は混乱の極みにある。
▼テーブルで待たされている有権者は、たまったものではない。安全保障、社会保障、消費税…。肝心の料理の注文をしようとメニューを開いても、メーンディッシュの公約は、ほとんど白紙のままではないか。
「うん、うん、」と思ってupしました。。。
村上春樹さんの『1Q84』、買った人は多いけど、ちゃんと読んだ人は少ない気がする。。。