「まるで踏み絵」推薦めぐり業界団体が悲鳴
「いろんな団体が自民党から離れる中、こんなに力強いことはない」。16日、徳島市内で開かれた徳島県看護連盟(約1200人)の決起集会。あいさつに立った自民党県連の竹内資浩・会長代行は声を震わせた。
比例選で高階恵美子氏(46)、選挙区で中西祐介氏(30)と、両方とも自民党候補を推薦する同連盟は今回、県内の業界団体では例外的な存在だ。
多くの業界団体は昨年まで、「政権与党」だった自民党を支援してきた。しかし、政権交代で、参院選徳島選挙区の対応も難しくなった。業界の声を国政に反映してもらうには、与党・民主党とのつながりが不可欠。一方で、県議や市町村議の多い自民党も無視できない。新党改革に移ったが、現職小池正勝氏(58)とも付き合いがあり、板挟みになっている。
県歯科医師連盟は3月、「一つの政党だけを応援するのはよくない」と早々に自主投票を決定。JAグループのJA徳島農政協議会も「農業は多くの課題を抱えており、各党の協力が必要」と自主投票。県漁連も同様の対応を決めた。
県薬剤師連盟(約860人)も複雑だ。「国政に薬剤師の仲間を送ろう」と、比例選では薬剤師出身の自民党候補を推薦するが、選挙区は自主投票。民主党から薬剤師の吉田益子氏(50)が立候補するからだ。元木宏会長は「軸足は自民党だが、吉田氏が出るので、だれも推薦できない」と話す。
ある自民党県連の幹部は旧知の業界団体から「今回は推薦依頼を控えてほしい」と言われた。幹部は「無理に頼めば相手も困る。推薦がなくても応援してくれるはず」と心配そうに期待する。
県看護連盟の三国鶴子会長は「我々も『与党でなければ……』という不安がないわけではない。ただ、今回は今まで通り自民党でいこうということ。次の選挙でどうするかは今後の課題」という。
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「業界に不利益なことはできない。与党に顔を向けるのが我々のエチケットだ。かと言って、今までのつながりを断ち切るわけにもいなかい」と悩むのは、県トラック事業政治連盟(336人)の粟飯原一平会長。長年、自民党を応援してきたが、今回、民主党トラック議員連盟から「我々が困らないように」と吉田氏の推薦を求められた。当然、小池、中西の両氏からも依頼が来た。結局、3人とも推薦することを決めた。
粟飯原会長は「推薦」についてこんな風に考えるようになった。「心のこもった本当の意味での推薦とは言えなくなっている。踏み絵みたいで、本当の気持ちとは裏腹なこともしかねない。もう推薦など公選法で禁止した方がいい」。
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参院選が24日に公示される。政権交代後、初めて迎える国政選挙。業界団体などは難しい選択を迫られている。選挙の現場を追った。
(2010年6月21日13時23分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/news1/20100621-OYT1T00615.htm