沖縄・尖閣諸島付近の日本領海で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突し
た事件で、検察当局が公務執行妨害罪で、中国籍の船長、●(=擔のつくり)其
雄(せん・きゆう)容疑者(41)を起訴する方向で検討していることが16日、関係
者への取材で分かった。中国側は● 容疑者の逮捕を不当として即時釈放を求
めているが、検察内部では妨害行為は明白とみて、「通常事件と同じく、法と証
拠に基づいて厳正に粛々と処分する」との意見で一致しているもようだ。
●容疑者は7日、尖閣諸島の久場島から北西約15キロの日本領海内で、漁
船「▲(=「門がまえ」の中に「虫」)晋漁(びんしんりょう)5179」を操縦。海保の
巡視船が停船を命じながら追跡してきた際、かじを左に急操作し、漁船の船体
を巡視船に衝突させるなどして海上保安官の職務執行を妨害したとして、石垣
海上保安部が逮捕。身柄は那覇地検石垣支部に送検されている。
関係者によると、●容疑者は「巡視船から衝突してきた」などと容疑を否認して
いるとされる。
検察当局は那覇地検本庁から石垣支部に応援検事を派遣し、海保と共同で集
中的に捜査。13日には証拠の保全が終わったとして、●容疑者を除く船員14
人と漁船を中国に返還した。海保が撮影した衝突時の映像やGPS(衛星利用
測位システム)に基づく航行データの解析などを進め、漁船が故意に巡視船に
衝突した疑いが濃厚との見方を強めている。
石垣支部は●容疑者の勾留(こうりゅう)期限の19日に、10日間の勾留期間
延長を石垣簡裁に求める方針。簡裁が認めれば勾留期限は29日となる。
衝突時の天候や波の高さなども分析し衝突が不可避だった可能性はないの
かなどを慎重に判断、延長後の勾留期限までに●容疑者を公務執行妨害罪で
起訴するとみられる。また、違法操業した外国人漁業規制法違反容疑でも捜査
する。
この事件では、前原誠司国土交通相が16日、石垣海上保安部を視察した。
前原国交相は中国側からの抗議に関して「(尖閣諸島に)領土問題はない」と日
本の立場を強調。●容疑者の処遇に関して「日本の国内法に基づき粛々と対応
する。それに尽きる」と述べた。