
新鮮な道南の食材を北海道新幹線で東京へ――。
公立 はこだて未来大学の長野章教授らの研究グループが、名物のイカめしなどの弁当を在来線から東北新幹線へと乗り継いで東京駅近くの北海道物産店に自ら運び、販売する実証試験に2日から取り組む。
実証試験で輸送、販売するのはイカめしやホッキ、ホタテ、タラバガニといった道産 食材をふんだんに使った3種類の弁当。未明に地元の業者が作り、保冷パックに詰めた60食分の弁当を長野教授らが携え、午前3時半ごろ函館駅を出発するJRの在来線に乗り込み東京へ向かう。
青森駅で乗り換えた後、午前7時近くに八戸駅を出る東北新幹線に乗り継ぐ。東京駅には午前10時ごろに到着し、東京駅八重洲口近くで北海道電力グループが運営する物産店「北海道フーディスト」で昼食として一つ1300円(消費税込み)で販売する。
実証試験は3日間。店舗では東京の消費者を対象にアンケートを実施。新幹線が函館まで開通した場合、どんな道産食材を東京へ運び、販売すると興味を持つかを調べる。
また、長野教授らによると、函館の地元弁当店は「一日50食の弁当を一つ千円程度で年間を通して販売できるなら採算が合いそう」と答えたとしているが、東京の消費者は、どの程度の価格なら購入しようと考えるかも調べる。
長野教授らは今後、水産加工品や農産物、函館の人気スイーツを同様に新幹線で東京に運び、消費者の反応を調べる意向で、地元への経済波及効果としてまとめる。
この構想は、北大大学院水産科学研究院の古屋温美・特任准教授らと研究してきた。
道南から出荷した水産物が東京・築地市場で せりにかけられるのは水揚げの翌々日になることも多く、トラックやフェリーを使った現在の輸送方法では新鮮さを保ちにくい。函館空港からの航空機は貨物積載量が少なく、新千歳空港からの輸送となる場合もあり、輸送に手間取るのが現状。このため、函館から東京へ3時間余りで運べる北海道新幹線での輸送に注目する。
古屋准教授らの試算では、新幹線で水産物を運ぶと年間 約22億円の経済波及効果が道南地区に生まれる。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000911020004