
2017年11月20日 朝刊
年明けにも型式証明飛行試験 MRJ
国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」が二〇一八年の年明けにも国から安全性のお墨付きを得るための「型式証明飛行試験」を始める。商業運航に向けた最大の関門で、性能や操作性が基準に適合するかを確認する。半世紀ぶりとなる国産旅客機の開発は、目標とする二〇年半ばの初号機納入へ正念場を迎える。
三菱航空機(愛知県豊山町)は現在、試験機四機を渡米させ、開発を兼ねた「社内飛行試験」を実施中。機体の安全性を証明するためデータの収集や解析、機体の改良を進めている。飛行時間は九月で千二百時間に達した。八月には機体に慣れる目的で国土交通省の操縦士が試験機に乗り込む「慣熟飛行」を済ませた。
複数の関係者によると、三菱と国交省は一五年の初飛行から二年たち、データ収集などに一定のめどがついたことから、本年度中に型式証明飛行試験を開始する方向で調整を始めた。三菱は年明けの開始を目指して国交省と協議している。
型式証明飛行試験は米国で行う。国交省の操縦士らが試験機に乗り込み、飛行と離陸が可能な最小速度や最高速度時の操縦性と安全性などを確認する。同省のエンジニアも同乗し、危険時には中止を指示する。
型式証明はMRJの輸出先でも取得する必要があり、米国の連邦航空局(FAA)も近く、型式証明飛行試験を始める見通しだ。
<MRJの開発> 安全性能を強化する設計の見直しなどを理由に2017年1月、5度目の納入延期が発表された。開発の遅れで三菱航空機は17年3月期決算で510億円の債務超過に陥った。現在は外国人技術者を大量投入し、開発を加速。今秋、試験機の製造を再開した。受注は確定が233機、キャンセル可能な契約や基本合意などを含めると計447機。
【中日新聞】