李大統領、任期5年を振り返る
任期満了控えた李明博大統領インタビュー
李明博(イ・ミョンバク)大統領は4日、大統領府で本紙とのインタビューに応じ、2008年からの任期5年間に発生したさまざまな出来事について語った。この席で李大統領は「昨年、北朝鮮が長距離ミサイルの発射に失敗した直後の5月、ある中国人に会ったが、彼らは金正恩(キム・ジョンウン)氏を『指導者』ではなく『若者』と呼んでいた。非常に驚いた」と述べた。/李鎮漢(イ・ジンハン)記者
■韓半島(朝鮮半島)問題と中国
今月24日に任期を終える李明博(イ・ミョンバク)大統領は4日、大統領府本館の白岳室で2時間10分にわたり、本紙の楊相勲(ヤン・サンフン)編集局長によるインタビューに応じた。李大統領は中国について「1年ほど前から、韓半島の統一後について韓国との対話に応じ始めた」と述べた。
-北朝鮮による3回目の核実験を阻止するには、中国が大きな鍵を握る。現在の中朝関係はどのような状況にあり、また今後はどうなると思うか。
「中国については、今この場で事実そのままを話せないのが実情だ。ただし、韓中関係はメディアで報じられている以上に良好で、中朝関係は報じられているもの以下だ。昨年4月に北朝鮮が長距離ミサイルの発射に失敗した直後、ある中国人に会ったが、彼らは『金正恩(キム・ジョンウン)』とか『指導者』などの言葉は使わず、『若者』と呼んでいた。これには非常に驚いた」「(中国人と)プライベートで統一についての話ができるようになったのは、これまで想像もできなかった変化だ。中国人は『統一』という表現を使わず『一つになったとき』と語る。このような真摯(しんし)な対話が韓中間で行われるようになったのはここ1年ほどだ。それ以前はこの種の話をしても(中国側が)話をそらしていた。中国国内では『大韓民国中心に統一されることは、中国の国益に反しない』という論文も広く読まれているが、これは示唆するところが非常に大きい。韓中両国政府の次元よりも、信頼に値する民間人が集まり、(統一後の)将来について議論ができる時期を迎えている」
-北朝鮮は中国が反対しても3回目の核実験を強行するかもしれないが、もし本当にそうなれば中朝関係はどうなると思うか。
「(北朝鮮の核実験は)スタートしたばかりの習近平総書記に非常に悪い影響を及ぼすだろう。表面的には中朝関係が途切れるようなことはないだろうが、中国は今後、政府次元での対北投資は行わなくなるだろう。中国では政府が投資をしなければ民間も投資をしない。北朝鮮は外国からの投資誘致に力を入れているが、中国はそのような態度を取ると思う」
-安全保障問題での中国との協力はどの程度まで進んでいるのか。
「北朝鮮が延坪島を砲撃した直後、合同参謀本部で『わが国の領土を攻撃すれば、その攻撃拠点はもちろん、後方支援の勢力も陸海空から攻撃せよ』と命じた。当時、北朝鮮が『南朝鮮(韓国)や米国は絶対に報復できない』と信じているとの情報を得たため、攻撃を受けたら報復するよう命じた。この方針は後に中国にも伝えたが、中国にはこちらの方針を北朝鮮に伝えるよう要請した。中国の戴秉国・国務委員(外交担当)は訪朝してこれを伝え、その後来韓し、北朝鮮に通知した事実を伝えてきた。米国にも国防部(省に相当)を通じてこの方針は伝えた。すると、米国は『あちらの攻撃拠点以外の場所をこちらから攻撃すれば、問題が拡大するのではないか』と言ってきたが、私が強く主張したため米国も理解した。それが最終的に北朝鮮の挑発を抑制するのにつながった。北朝鮮のような好戦的な勢力と対峙(たいじ)するときは、交渉や要請で(平和を)手にすることはできない。最終的にこちらの方が強く、また実際に行動を起こす意志を示せば、挑発はしてこない」
■盧前大統領と金総書記の対話録
昨年の大統領選挙で問題になった盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記による首脳会談(2007年)の対話録について、李大統領は「実際に目にした。国の格を落とす内容のため公表ははばかられる」と述べた。また、以前にも「公表しない方がよい」と発言している。
-大統領就任後、故・盧前大統領と故・金総書記の対話録を見て激怒したという話を聞いた。どのような内容だったのか。
「激怒だとか怒ったというわけではないが、内容は間違いなく国格をおとしめるものだった。そのため公表しない方がよいと話したことはある。その内容は国格を語るにはあまりにも…。(対話録には)韓米関係についての内容があり、また南北関係についての内容もある。検察(捜査過程)から一部が出ているため、北方限界線(NLL)問題はいずれ明らかになるだろう。就任して目にしたときに『公表しない方がよいだろう』と思った。私は公表しない方が国民にとってもよいことだと考える」
■盧前大統領の死
盧前大統領に対する検察の捜査やその突然の死などについて、李大統領は「突然の(死の)知らせに信じられなかった。何か重い病気だったのかと思い、2度も確認した」などと当時の心境を語った。
-盧前大統領死去の知らせを聞いて最初に何を思ったか。
「信じられなかった。もしかするとどこかが悪くて重病だったのかと思い、2度も確認させた。死因を聞くと『飛び降りた』というから、本当に信じられなかった」
-今から考えると、盧前大統領への捜査について後悔することはないか。あるいは何らかの時点で「この程度にしよう」とは思わなかったか。
「盧前大統領をソウルに呼んで調査すると聞いたため、私は民政担当首席秘書官に『訪問調査の方がよい』と告げた。私は検察に命令できないからだ。あのときは前任者(盧前大統領)が任命した検察総長がまだいた。こちらが捜査の中止を命令すれば、また『大統領が超法規的な措置を取った』などと言われるためできなかった。民政担当首席秘書官には(盧前大統領の自宅があるポンハ村での)訪問調査の方がよいと勧めた。前日までそれを勧めたが、後から聞くと、盧前大統領本人がソウルに来ると言ったようだ。そのため(大統領)専用列車を提供しようとしたが、(盧前大統領が)バスを使うと言ってきたため、大統領府のバスを提供した」
■世宗市問題
李大統領は首都機能の世宗市移転にはかねてから反対の立場で「私は統一首都として開城などを考えていたが、今はもう意味がない。世宗市問題の解決が重要」などと発言していた。今はどう考えているのだろうか。
「その問題は(すでに移転が始まった以上)私がどう考えるかはもう意味がない。すでにさまざまな問題が指摘されているが、今は1日も早く(世宗市を)安定させることが重要だ。先日訪問したが、職員たちは本当に不便そうだった。また(不便さの)問題はともかく、もっと重要なことは目に見えない業務効率の問題だ。行政も競争力が必要なため、その点は本当に心配だ。首相も週に3回行き来するらしいが、5日勤務の場合、往復の時間を除けば実際は3日勤務になってしまう。企画財政部(省に相当)長官は最初から(世宗市に)行こうとしないようだ」
-金滉植(キム・ファンシク)首相も問題を指摘している。
「しかし今はどうすることもできない。これをいかに軌道に乗せるかを考えるべきで、過ぎた話はすべきでないと思う。実際に(反対していたときは)南北統一はそう遠くないと考えていた。われわれが生きているうちに南北は統一すると考えていた。統一するのであれば、開城など北朝鮮の近い都市にすれば、国有地のため金も掛からない。ソウルにも平壌にも、また仁川空港にも数十分しかかからない。そのため、当時私は『統一後の首都を考えるべきだ』と話した」
■退任後の計画
今月24日に5年の任期を終える李大統領は、退任後の構想について「国に負担をかけず役に立つ仕事をしたい。またそれを静かにしながら過ごしたい」と述べた。
李大統領は「海外のある著名なコンサルティング会社が『(退任後は)このような仕事をすればよい』という内容の計画書を作成して送ってきた。海外のある首脳の中には『在任中は休みを取れなかったため、退任後に一緒に休暇を取ろう』と言ってくれる人もいるが、今は『これをする』と決めたものはない」と述べた。
インタビュー後、李大統領は5年の任期を振り返りながら「大韓民国は本当に偉大な国であり、この偉大な国の大統領になったことは本当によかった。韓国国民は騒がしいときもあるが、本当に偉大だ」と述べた。インタビューには大統領府から崔今洛(チェ・グムラク)広報担当首席秘書官と朴正河(パク・チョンハ)報道官が同席した。
整理= 権大烈(クォン・デヨル)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版