プロ野球界には韓国、台湾、米国、ドミニカ共和国、ベネズエラなどからの助っ人が多数所属。在日韓国人もプレーしている。人種問題なんてもちろん存在しない。ならば、掛布も江川も、現役を引退した後、一度も指導者になっていないのはなぜか。
掛布に関しては現役時代の汚点が痛い。87年の開幕直前に飲酒運転で現行犯逮捕。当時の久万俊二郎オーナーから「欠陥商品」と酷評され、引退後も阪神のユニホームを着ていない。
さらに、引退後に手がけた飲食業が不振続きで、昨年は実質オーナーを務める会社が事実上倒産。推定4億円といわれる負債総額も球界復帰の足かせになっているのだろう。
江川にしても、「空白の1日」を利用してのゴリ押し入団に加え、阪神から巨人に移籍する際には小林繁がトレードに出され犠牲になった。その一件ですっかりダーティーなイメージが定着。「シビアな金銭感覚が監督オファーの妨げになっている」との声もある。
“清武の乱”では、ウソかマコトか「彼は悪名高いが、悪名は無名に勝る。彼をヘッドコーチにすれば、次は江川が監督だと江川もファンも期待する。しかし、監督にはしない」と渡辺会長が言ったと暴露された。その程度の評価しかされていないというのが球界の定説で、「江川さんは01年にヘッドコーチとして白羽の矢が立ちながら、条件面で折り合いがつかずに破談。いきなり契約金、年俸の話を持ち出したのが原因だといわれている」とは読売関係者。
現役時代から株や不動産投資に精を出した、カネに対する執着の強さを示すこの手のウワサ、話は枚挙にいとまがない。
だが、しかし、掛布や江川が監督になればインパクトは抜群だ。阪神ファンで元同志社大学文学部教授の山口賀史氏がこう言う。
「現役時代の掛布が打席に入ると、いつも何かが起こるのではないかという雰囲気があった。そんな掛布に対し、江川がムキになって直球で真っ向勝負を挑む。それをまた、掛布が甲子園の逆風のライトスタンドへ打ち返す。これぞプロという勝負が繰り広げられていた。そんな2人がお互い指導者という立場でグラウンドに立つ姿を想像しただけでワクワクする。せっかく阪神と巨人にはそれだけのOBがいるのだから、いっぺん監督をやらしたったらいい。なんで上手に使わへんのか疑問です。今の指導者は地味な人ばかり。プロ野球は夢を売る商売。ファンは何かが起こるのを期待して球場へ足を運ぶものです」
(日刊ゲンダイ2012年11月7日掲載)