潜水艦侵入 中国は軍事威嚇をやめよ
2013.5.21 03:14 (1/2ページ)[主張]中国の潜水艦がまた、潜没したまま日本の接続水域に入ってきた。今月に入って3度目であり、軍事力による威嚇に強く抗議したい。
中国は今月、2度にわたって沖縄県・久米島周辺などの接続水域に潜水艦を侵入させ、政府が13日に、「わが国として注視すべき状況」として公表に踏み切ったにもかかわらず、19日には同県・南大東島周辺の接続水域に潜水艦を潜没させたまま航行させた。
領海内と異なり、領海の外側約22キロの接続水域での潜水航行は国際法違反ではない。だが、税関などの管轄権が日本側にある接続水域への再三の侵入は、領海侵犯につながりかねず、日本の平和と安全を脅かす行動といえる。
政府はまだ相手が中国だと名指ししていないが、小野寺五典防衛相は潜水艦の国籍は特定していると明言するとともに、「しっかり把握しているぞというメッセージを伝え、相手に自制を促す」と語った。当然である。
問題は、なぜ中国がこのような力による挑発活動を繰り広げているのか、である。
潜水艦が潜没したまま領海侵犯すれば、海上自衛隊は発令された海上警備行動により退去を求めることになる。この場合、偶発的な衝突も起きかねない。接続水域への中国の潜没潜水艦の行動は危険きわまりない。
一連の中国潜水艦の行動については、米韓合同海上訓練に参加した米原子力空母「ニミッツ」を追尾するなどして、日米の防衛能力を試しているのではないかといった分析がある。南大東島周辺での活動は、中国海軍の活動範囲の拡大を改めて示した。
いずれにせよ、中国側の一貫した狙いは、尖閣の領有権の「棚上げ論」を主張し、領海侵犯した政府公船の活動によって自らも尖閣周辺海域の管理に当たっていることを強調するなどして、「領土問題は存在しない」という日本の立場を崩すことにあるのだろう。
自国の主張を押し通すために、中国が軍事力を背景とした恫喝(どうかつ)を強めていることを日本は認識すべきである。
安倍晋三政権は決して脅しに屈してはならない。南西諸島防衛の強化や領域警備法の制定など、日本の主権を侵害する不法な行為を排除するための具体策を実行することが、国家の責務である。